浜崎 議員の総会質疑と答弁

◯浜崎委員 生活保護行政について、24年度予算案では、生活保護費として一般会計予算額の10%を超える約780億円と過去最高の額が計上されている。生活保護費の増は、リーマンショック以降の経済不況に伴う生活保護世帯数の急増によるものと思うが、余りにもここ数年の短期的な増加が著しいがゆえに、その根底に潜む中長期的課題が見えにくくなっている部分があるのではないかと懸念している。生活保護世帯の動向とその内容について、本市の生活保護世帯の状況は平成20年秋のリーマンショックを契機に大きく変動していると聞いているが、世帯類型ごとの世帯数及び割合について、19年度の状況と直近の状況を尋ねる。

△保健福祉局長 19年度の世帯類型ごとの生活保護世帯数及び割合は、高齢者世帯は8,995世帯で全体の46.2%、母子世帯は1,495世帯で全体の8.0%、障がい者世帯は2,226世帯で全体の11.3%、傷病世帯は4,636世帯で全体の25.0%、その他世帯は1,762世帯で全体の9.5%である。また、直近の平成24年1月末時点の世帯類型ごとの世帯数及び割合は、高齢者世帯は1万1,485世帯で全体の38.3%、母子世帯は2,246世帯で全体の7.5%、障がい者世帯は3,114世帯で全体の10.4%、傷病世帯は6,590世帯で全体の22.0%、その他世帯は6,556世帯で全体の21.9%である。

◯浜崎委員 リーマンショック以前と現在の状況の変化について、本市としてどのように考え、どのように取り組んでいるのか尋ねる。

△保健福祉局長 19年度と現在の状況を比較すると、全体的に生活保護世帯数がふえる中で、失業や休職を理由とする、特に就労阻害要因がないその他世帯の世帯数及び占める割合が急増している。本市では、生活保護世帯の急増が引き起こすさまざまな課題に全庁的に取り組むため、福岡市生活保護課題検討委員会で自立支援の促進、保護の適正実施、業務執行体制の整備、国への提言を内容とする課題解決のための取り組み方針を策定し、23〜25年度までの3カ年を実施期間としてこの間の目標数値を定め、取り組みを進めている。その中で、その他世帯に対する就労支援を重点的に行うこととしており、平成23年7月には任期つき短時間勤務職員を導入するなど体制を整え、よりきめ細やかな就労支援に努めている。

◯浜崎委員 確かにその他世帯の急増は著しく、その対策は急務であると思っており、引き続き全庁的に就労支援に特に力を入れて取り組まれたい。しかし、中長期的視点からリーマンショック前後の比較数値を見たときに高齢者世帯数の増加を見逃してはならない。その他世帯の増加が著しいため構成比率としては約46%から38%と低くなっているが、世帯数は約9,000世帯から1万1,500世帯と約2,500世帯増加しており、依然として最も多くの割合を占めている。そもそも、その他世帯の増減は景気の動向に大きく左右されるものであり、また、地方自治体やハローワーク等が就労支援・指導を強力に行うことにより、就職や増収による自立など、改善に導く可能性があるが、高齢者世帯に就労指導を行い自立に導くことは現実に困難であるし、急速な高齢化で、高齢者数は増え続けていく。今後、実施している就労支援の成果や景気の回復等によりその他世帯が19年度当時の9.5%に減少しても、年金や家族の支援が受けられない高齢者世帯がそのまま生活保護世帯となれば、生活保護世帯は減ることはなく、老齢基礎年金が満額受給できても、単身高齢者の生活保護基準に満たない現状では高齢者世帯の増が生活保護世帯の増に直結することは避けられず、このままでは国も地方も破綻してしまうのではないかと懸念している。今後も高齢化社会のさらなる進展により生活保護を受給する高齢者世帯がふえていくことが予測されることは大きな課題であるが本市としてどのように考え、取り組んでいくのか、所見を伺う。

△保健福祉局長 生活保護を受給する高齢者世帯は、稼働による自立が困難であることから、健康管理の指導や近隣親族との交流などを促すとともに、親族等への扶養依頼や年金受給権の調査など、その自立支援にも努めているが、今後、高齢者全体が増加していく中で生活保護を受給する高齢者が増加していくことは十分考えられることであり、経済的自立が困難な高齢者世帯に対しては、その他世帯への対策とは異なる対応が必要と考えている。本市としては、指定都市市長会で社会保障制度全般のあり方を含めた生活保護制度の抜本的改革を国に提言している。その中で高齢者については現行制度とは別の枠組みで生活保障を行うべきとしているが、国においても、生活保護制度に関する国と地方の協議が継続実施されることとなっており、今後の国の動向に留意するとともに、引き続き制度改正などについて要望していきたい。

◯浜崎委員 継続して要望されたい。現在の年金制度が年金収入のみでの単身高齢者の生活保障を前提としたものではないため、資産の蓄積や親族の支援が得られない単身高齢者が生活保護世帯になることに、法定受託事務である生活保護制度を実施する地方自治体の対応には限界があるが、高齢者に対するセーフティーネツトをおろそかにすることはできない。高齢者の増に伴い、高齢者の生活保障の確保はますます必要とされ、自治体としてできることを実施していくとともに、持続可能な社会保障制度構築のために、国に対し、地方の実情や制度のあり方を強く訴えていくべきである。年金の範囲内で衣食住が整えば生活保護の必要はなくなるのかもしれないが、現在、老齢基礎年金の支給額は1カ月当たり約6万6,000円で、久留米に、食事、家賃、電気代を含めて7万8,000円の老人ホームができたとのことであり、民間でも考えていくだろうと思う。昨今の経済状況の影響か、公的年金は2.5%削減され、後期高齢者医療保険料は値上げされるなど、高齢者にかかる負担は増大してきた。超高齢社会の到来を迎え、高齢者施策は先を見据えた計画づくりが必要となるが、本市の高齢者人口のうち要介護認定を受けている率が高い75歳以上の人口は、現在と2025年、2035年の比較を尋ねる。

△保健福祉局長 本市の75歳以上の高齢者人口は、平成24年2月末現在で12万2,671人、総人口に占める割合は8.5%である。平成20年12月の国立社会保障人口問題研究所の将来推計人口によると、本市の75歳以上人口は2025年には20万6,339人となり、現在と比べ約8万4,000人増加し、総人口に占める割合は13.9%で、現在と比べ5.4%の増加が見込まれている。2035年には23万6,456人となり、現在と比べ約11万4,000人増加し、総人口に占める割合は16.3%、現在と比べ7.8%の増加が見込まれている。

◯浜崎委員 特別養護老人ホームは常に多くの待機者がいると聞くが、今後の整備計画、最新の待機者数、その要介護度別の内訳について尋ねる。

△保健福祉局長 特別養護老人ホームの整備計画は、24〜26年度を計画期間とする次期高齢者保健福祉計画において1,110人分を整備することとしており、21〜23年度までの整備実績と比べて約2倍の整備数としている。待機者数は、22年度の特別養護老人ホーム利用申込者実態調査の結果を踏まえ、未回答の推計分も含めて約3,500人としており、このうち実際に特別養護老人ホームの利用を希望したいと回答があった2,402人の要介護度ごとの状況は、要支援1及び2が139人、6%、軽度の介護を要する要介護1及び2が595人、25%、中度の介護を要する要介護3が559人、23%、重度の介護を要する要介護4及び5が963人、40%、要介護度についての回答がなく不明が146人、6%である。

◯浜崎委員 多くの市民が特別養護老人ホームを希望しており、早急に整備しなければならないと思うが、特別養護老人ホームの整備計画では待機者解消まで何年を見込んでいるのか。

△保健福祉局長 特別養護老人ホームの待機者は約3,500人と推計しているが、要介護3以上で単身であること、介護者も入所を希望していることなどを勘案して、24〜26年度までの必要整備数を1,110人分と算定し、26年度までに早急に入所を必要とする待機者は解消すると考えている。

◯浜崎委員 特別養護老人ホームの入所要件や基準について尋ねる。

△保健福祉局長 特別養護老人ホームの入所要件は、身体上、精神上の著しい障がいのために居宅で生活を継続することが困難な要介護者となっており、国の通知を踏まえ、具体的に定めた入所評価基準で、要介護度や介護サービス等の利用など本人の状況及び介護者の有無や年齢などを入所の必要性に応じて点数化し、各特別養護老人ホームで、入所の優先順位を決定している。

◯浜崎委員 平成23年3月に「特別養護老人ホーム利用申込みに関する調査」の報告書が出されているが、利用申し込みの主な理由は何か。

△保健福祉局長 複数回答であるが、「専門的な介護が受けられて、安心して生活できるため」が55.9%、「すぐに利用できないので、早目に申し込みをしておく必要があるため」が49.0%、「介護の必要性が高くなったため」が41.6%、「介護者が高齢や病気がちで健康状態がよくないため」が28.3%、「現在、施設に入院・入所中だが、退院・退所の期限があるため」が28.2%である。

◯浜崎委員 回答の中には、特別養護老人ホーム以外でも対応可能な場合があると思う。今、国が在宅支援を見直している中、このまま特別養護老人ホームの整備を進めていくことは、偏った施策ではないかと懸念するがどうか。

△保健福祉局長 本市における在宅サービスと施設サービスを合わせた介護給付費は、22年度実績で在宅サービスが62.7%、施設サービスが37.3%で、次期高齢者保健福祉計画の計画期間である24〜26年度までの3年間の見込みでは在宅サービスが63.7%、施設サービスが36.3%となっており、わずかではあるが、在宅サービスの占める割合が増加する見込みである。今後とも、在宅サービスと施設サービスのバランスに配慮しながら介護基盤の整備を行っていく。

◯浜崎委員 特別養護老人ホームの建設費、定員1人当たりの建設費、補助金は幾らか。

△保健福祉局長 建設費は、施設ごとの費用にばらつきがあり、最近整備された定員70人規模の特別養護老人ホーム4カ所のデータを平均すると、敷地面積約2,800平方メートル、延べ床面積約5,000平方メートル、鉄筋コンクリートづくりで約8億円であり、定員1人当たりは、用地費用を除き約1,100万円である。なお、1人当たりの建設費約1,100万円のうち355万円余を補助している。

◯浜崎委員 東京都では、限られた時間を人生の尊厳を保ちつつどこで暮らすかを考えた場合、特別養護老人ホームのような施設整備だけに高齢者問題の解決を求めることが唯一の選択肢とはいえないとしている。東京モデルと称して緊急時対応、安否確認などのサービスを有する介護施設を併設した中堅所得層向けの賃貸住宅を6年間で6,000戸整備、低所得者で身寄りがなく、ひとり暮らしが困難な高齢者に対応したケアハウスを3年間で2,400戸整備することとし、両施設とも既存建物の有効活用が認められている。東京都はこれらの施策で特養待機者を着実に減らせるとしているが、本市は特別養護老人ホームの整備のほか待機者減に向けた取り組みについて尋ねる。

△保健福祉局長 待機者減に向けた取り組みは、次期高齢者保健福祉計画において、特別養護老人ホームの整備だけではなく、認知症高齢者、グループホームや小規模多機能型居宅介護などの整備も積極的に行うこととしている。また、平成23年10月から新たに安否確認や生活相談サービスなどの機能を有するサービスつき高齢者向け住宅の登録を開始するとともに、24年度から定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの新たな介護保険サービスの提供などにより、高齢者が住みなれた地域で安心して生活することができるよう、在宅での生活に対する支援を充実していくこととしており。特別養護老人ホームの待機者減少にもつながると考えている。

◯浜崎委員 国土交通省が全国にサービスつき高齢者向け住宅80万戸の整備計画をしている。サービスつき高齢者向け住宅と定期巡回・随時対応型訪問介護を組み合わせると、特別養護老人ホームにかなり近づくと思う。本市も高齢者の介護の分野で福岡らしいものをつくり出していかなければならないと感じている。平成24年4月から介護保険の許認可等すべてを市が所管することになると思う。国の基準に従うことが基本だろうが、介護事業者は、段差や廊下の幅など基準が厳しく非常にお金がかかり、疑問が多いと常々言っている。富山県では高齢者施策のあり方を統一し、富山方式と言われて全国で有名になっており、山口県のある施設では、障害物を取り除かず、越えていく力をつけていくような福祉施策も行われている。ぜひ高齢者介護施策で福岡方式というものを確立していくことを望むが、所見を伺う。

△保健福祉局長 基準等については、地域主権改革に伴い、従来、国で定めていた介護サービス事業等の人員、設備、運営基準等について、24年度は新たに本市で条例を制定することとしている。事業者に対するアンケートの実施や保健福祉審議会での検討など、本市の実情に応じた基準の策定に取り組んでいく。また、次期高齢者保健福祉計画においては、高齢者が要介護状態になっても可能な限り住みなれた地域において継続して生活できるよう、介護、予防、医療、生活支援、住まいの5つのサービスを一体化して提供していく地域包括ケアの考え方に基づき、これらの基盤や施策の充実を図ることとしており、具体的には、これらの基盤や施策を適切に組み合わせていくため、各保健福祉センターが中心となり、ケアマネジャー、地域包括支援センター、医療機関等の関係者と連携して福岡型地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいく。

◯浜崎委員 10年後、20年後を見据えて取り組まれたい。英語教育について、23年度から文部科学省の新学習指導要領に基づき、小学校5、6年生で年間35時間の外国語活動を行うこととなった。外国語を通じて多言語や多文化を学び、外国人とコミュニケーションを図ろうとする態度をはぐくみ、その能力を養うことが目的とのことである。小学校に外国語活動が導入されるようになった理由と文科省での協議経過について尋ねる。

△教育長 小学校への外国語活動導入の理由は、昭和61年4月の臨時教育審議会の報告において、国際化の進展に伴う意思の伝達や相互理解の必要性が示され、英語教育の重要性が高まったとされている。文部科学省における外国語活動に関する協議経過は、昭和61年4月に英語教育の開始時期についての検討がなされ、平成8年7月、中央教育審議会答申において、国際理解教育の一環として総合的な学習の時間を活用した英語教育の実施が示された。その後、中央教育審議会での審議の後、平成20年3月の学習指導要領改訂で小学校の第5、第6学年において、外国語活動が新設されたものである。

◯浜崎委員 小学校の外国語活動は通知表には数値で評価する教科扱いなのか。

△教育長 小学校の英語教育は、外国語活動として実施し、国語や算数のような教科ではない。学習指導要領に基づいて指導を行うが、教科書はなく、総合的な学習の時間と同様、各学校で内容を構成できる。

◯浜崎委員 教科扱いではないとのことだが、本市の外国語活動の指導内容、指導者指導体制について尋ねる。

△教育長 外国語活動の指導内容は、積極的に外国語によるコミュニケーションを図る楽しさの体験や、外国語の音声になれ親しませながら外国の言語や文化について理解を深めることで、指導者は、指導計画の作成や授業を実施する学級担任とそれをサポートする英語に堪能なゲストティーチャーである。指導体制は、重点配置校ではゲストティーチャーを1学級につき年間35時間配置し、それ以外の学校は15時間配置して、指導している。

◯浜崎委員 ゲストティーチャーの役割、人選を尋ねる。

△教育長 ゲストティーチャーの役割には、児童とのかかわりを通し、コミュニケーションに対する意欲を高めることや、さまざまな国や地域の文化について興味、関心を持たせ、体験的に学ばせることである。また、人選に当たっては、留学生や地域に在住の英語を母語としている住民や、英語に堪能な保護者の中から各学校の学校長が直接面談を行い、授業のサポートを依頼している。

◯浜崎委員 重点配置校はどのようにして選定したのか、また、すべて同じ指導体制で実施しない理由を尋ねる。

△教育長 重点配置校の選定は、全小学校を対象に公募を行い、応募のあった学校の中から外国語活動に対するこれまでの取り組みや研究内容、各区への配置バランスなどを考慮して選定した。また、重点配置校にゲストティーチャーを35時間配置している理由は、児童の外国語活動に対して毎週1回の授業に必ずゲストティーチャーが参加することによる効果を検証する必要があるためである。

◯浜崎委員 今後の効果的な配置を検証するためとのことだが、35時間と15時間では不公平感があるのではないか。重点配置校になれなかった小学校では担任が何とかして日本語を駆使しながら英語を教えなければならないため、学校独自で予算を捻出して、重点配置校との差の20時間、ゲストティーチャーを雇用した小学校もあるそうである。現在の重点配置校の取り組みの効果と課題について尋ねる。

△教育長 重点配置校の取り組みの効果は、現在検証中であるが、学級担任の指導に加え、すべての時間にゲストティーチャーが参加することで外国語活動に対して児童の意欲や関心が高まったことや、外国語になれ親しんだこと、また、異文化への体験的な理解が深まったことがある。特にゲストティーチャーとのコミュニケーション活動を通して、外国語活動の時間を好む児童が多いと聞いている。課題は、重点配置校は自校の先進的な取り組みを他校に広げることとしているが、全市の各小学校に十分に広げ切れていないことである。

◯浜崎委員 英語によるコミュニケーション力の育成がより一層必要ということである。中学、高校と英語教育をしっかり行われてきたにもかかわらず、TOEFLの平均点がアジアの中でも最下位に近い結果が非常に残念であるが、英語を外国語として教育しているアジア諸国と日本の英語の教科書の大きな違いは何か、また、アジア諸国の外国語活動の実施時期はいつか。

△教育長 アジア諸国における英語の教科書について詳細な情報はないが、韓国では英語とハングルで書かれ、中国では英語のみで書かれていると聞いている。また、韓国の教科書の中には、簡単な単語の読み書きのページもあると聞いている。日本の小学校の外国語活動は教科ではないので教科書はなく、文部科学省が共通教材として提供している英語ノートを使用しており、英語と日本語とイラストで構成されている。内容は、あいさつや紹介、ゲームなどを通してコミュニケーションを図る活動が例示されている。なお、24年度からは、英語ノートにかわって、より充実したコミュニケーション活動が期待される新教材「Hi, friends!」を配布する。次に、アジア諸国における英語教育の開始時期については、中国、台湾、韓国が小学校第3学年から、英語を第2言語とするシンガポール及びインドの一部の州では小学校第1学年からなどである。

◯浜崎委員 英語教育が進んでいる国の教育は日本と大きく違っていると感じる。文部科学省が行ったアンケートで、小学校で英語教育を必須とするべきかという問いに、保護者は70.7%がそう思う、教員は54.1%がそう思わないと逆の結果が出ている。賛成理由は、「早くから英語に親しませておいたほうが英語に対する抵抗感がなくなる」「発音は小学生から学んだほうが身につくから」などで、反対理由は、「小学校ではほかの教科をしっかり学んでほしい」「子供の負担がふえる」、「正しい日本語を身につけることがおろそかになるという思いから」などである。間もなく本市の外国語活動は1年になるが、学校から何か報告を受けているか。

△教育長 小学校の外国語活動の実施状況について、児童の外国語の授業への意欲が見られ、外国語になれ親しむ姿が見られたこと、教師の指導については、児童のコミュニケーション能力の素地を育成するために教材を整備し、その活用法について学校内の教職員の共通理解が図れたこと、中でも英語ノートやそれに関するデジタル教材の活用を図ることができたとの報告を受けている。また、課題として、ゲストティーチャーとの事前の打ち合わせをより充実していく必要があることなどが挙げられている。

◯浜崎委員 児童は外国語活動の時間を楽しんでいるようであり、もっと積極的に教育委員会として外国語活動を推進されたい。グローバル化を推進する企業の社内公用語が英語となっている。アジアのリーダー都市を目指す本市としては、韓国、台湾、中国、香港、シンガポールなど、アジアを視野に入れるべきと感じている。小学校での外国語活動は受験対策の必要がなく、ほかにない試みを行っていいのではないかと思う。台湾で小学校の英語の授業を見たが、イギリス人の先生が専門で教え、授業はすべて英語で行われていた。また、デジタル機器を活用しながら子供たちが生き生きと前を向いて学習している様子を見て感動した。店やタクシーなどではかなりの割合で英語が通じることに教育の成果があらわれていると思った。台湾では英語での話しかけに、憶せず英語で答えが返ってくる。本市では、まちで外国人から英語で話しかけられたら、途端に硬直してしまう姿が見られるのではないか。このような姿では、アジアのリーダー都市を目指すことができるのか非常に心配である。アジアのリーダー都市を目指すには、英語教育、特に小学校における英語教育がかぎになると思うが、本市の今後の外国語活動について、所見を伺う。

△教育長 今後の小学校の外国語活動については、本市の「新しいふくおかの教育計画」には、目指す子ども像として、アジアや世界の中の福岡という視点を持って、ともに生きることのできる子供の育成を掲げている。世界に羽ばたき行動する国際人の育成に当たっては、コミュニケーション能力、とりわけ国際共通語として最も中心的な役割を果たす英語力を向上させることが喫緊の課題である。小学校の外国語活動で培われたコミュニケーション能力の素地は中学校で本格的に実施される英語学習に続き、コミュニケーション能力の向上を図る上で大変重要であると考えており、小学校の外国語活動を充実し、国際教育の推進に努める。

△市長 インターナショナルスクールの英語の授業を見たが、やりとりの中で自然に、考えずに言葉が出てくるような教え方であり、感心した。小さいころから英語に親しむ環境を整えていくことは非常に重要だと思っており、授業ではないからこそ取り組めることもあるとの指摘も踏まえて、教育委員会と連携して英語教育の推進に取り組みたい。




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