浜崎 議員の質問と答弁

◯浜崎委員 未利用地の有効活用について、道路上における点字ブロックの整備について、再生可能エネルギーの活用について、外国企業の誘致についての4点について質問する。まず、未利用地の有効活用について、財務省によると、国有の未利用地は平成11年に約1.8兆円分あったが、平成21年には3,789億円分まで減少している。さらに政府は国や独立行政法人の所有地について、28年度末までに5,000億円以上の売却収入を得るとする工程表を発表している。最近の報道では、会計検査院の調べで、日本銀行が東京都内に所有する4カ所の土地、計約7,000平方メートルの中には本店前の超一等地にもかかわらず全く利用されていない、30年以上更地であるなど有効活用されていないことがわかり、会計検査院は日本銀行に対し、不要財産があれば速やかに売却などを検討し、処分するよう求めている。このように、国においては、厳しい財政事情を背景として、未利用地の処分に積極的に取り組んでいるが、本市においても、財政状況が厳しさを増す中、財政健全化の取り組みの一環として、既存の土地、建物の有効活用や不要資産の売却、有償貸し付けを進めるなど、保有資産の活用、売却による財源の確保に取り組んでいると認識している。現在、本市の未利用地については、ホームページに本市が所有する一覧として、売却予定の土地、活用予定の土地、今後活用または売却の検討を要する土地の情報が掲載されているが、ホームページに掲載されている未利用地の定義について尋ねる。

△財政局長 平成17年1月に策定した福岡市財産活用プランにおいて、暫定利用中のものを含む行政用途のない土地、行政用途での利用を3年以内に廃止する予定の土地、行政用途で利用するかどうかを検討中の土地、将来的に行政用途のある土地で事業化までに1年以上時間を要する土地と定義している。

◯浜崎委員 未利用地の情報集約、整理をどのように行っているのか、また、未利用地の現状を尋ねる。

△財政局長 財政局において、年1回、全庁的に未利用地の調査を実施し、未利用地情報の集約を図っている。未利用地情報は、活用可能な未利用地、活用が困難な未利用地の二つに分類し、活用可能な未利用地を売却予定、活用予定、今後活用または売却の検討を要する土地の三つに分類している。平成24年3月現在での活用可能な未利用地は、売却予定の未利用地14件、活用予定の未利用地16件、今後活用または売却の検討を要する未利用地38件の合計68件である。

◯浜崎委員 未利用地情報の分類として、市ホームページに掲載している活用可能な未利用地のほかに、活用が困難な未利用地の情報を財政局で集約されているとのことだが、用水路跡地など行政用途として機能していない土地なども把握しているのか。

△財政局長 財政局が行う照会調査の際には活用が困難な未利用地についても調査対象としているが、今後とも情報の把握に努めていきたい。

◯浜崎委員 財政局が調査し、集約、整理した未利用地について、売却の手続、方法を尋ねる。

△財政局長 行政財産として活用できる可能性があると思われるものについては、全庁的に利用希望を調査し、利用希望がない場合は、原則として一般競争入札により売却している。小規模や不整形な土地で単独利用が困難と思われるものについては、随意契約により隣接の土地所有者などへ売却している。

◯浜崎委員 原則として一般競争入札により行っているとのことだが、最低価格の設定、入札が不調となった場合の対応を尋ねる。

△財政局長 最低価格については、財政局が所管している不動産価格評定委員会の評定価格をもとに設定している。一般競争入札において入札者、落札者がいないとき、落札者が契約を締結しないときは、期間を定めて買い受け人を随時募集し、随意契約により売却している。

◯浜崎委員 土地の処分状況について、23年度までの5年間の件数と金額を尋ねる。

△財政局長 23年度30件、約3億9,022万円、22年度63件、約12億6,590万円、21年度38件、約16億1,311万円、20年度36件、約3億956万円、19年度45件、約5億4,415万円となっている。主なものは、市営住宅の跡地、旧ため池、消防署出張所跡地などである。

◯浜崎委員 市営住宅の建てかえに伴う余剰地の売却など、財源確保の取り組みについては一定の成果が上がっているようだが、そのような余剰地が常にあるとは限らない。本市は用水路や里道の跡地など、単独利用が困難な土地を多数保有していると思うが、このような土地については、取得希望者があらわれるのを待っているだけであり、売却する際にも取得希望者に測量を行わせている。このようなことが土地処分が進まない要因になっているのではないか。今後はこのような土地も含めた有効活用が必要ではないかと考えるが、今後の未利用地の有効活用について所見を伺う。

△財政局長 財政状況が一層厳しさを増す中、工夫を凝らして多様な財源を確保することがますます重要になってくると認識している。公有財産の一層の活用に向けて現在、財産活用プランの見直しを行っているが、単独利用が困難な土地の有効活用についても検討していく。

◯浜崎委員 次に、道路上における点字ブロックの整備について尋ねる。一昔前と比較すると、障がい者に配慮した駅や公共施設などのバリアフリー化は進み、特に新しい建物や大型商業施設などでは、段差解消や多目的トイレの設置など、バリアフリーが当たり前のようになってきた。現在開催されているユニバーサル都市・福岡フェスティバルでは、メーン事業でもある第4回国際ユニバーサルデザイン会議2012in福岡も開催され、専門家だけでなく、一般の人も参加できるような催事がある。バリアフリーやユニバーサルデザインの考え方を市民に広く浸透させることは大変重要なことだと思うが、障がい者からは、本当のバリアフリーの実現はまだまだ先のことだという意見がある。依然として安心して外出できる環境ではないと言う人もいる。本市においても、平成14年に福岡市交通バリアフリー基本方針を策定されており、5,000人以上の利用者のある駅と公共施設等を含む地区でバリアフリー化の必要性が高い地区を重点整備地区と設定し、その中で高齢者や障がいのある方などが多く通ると考えられるルートを特定経路と指定して、優先的に段差解消、点字ブロックの設置など、ハード的な整備を進めてきているはずだが、10年が経過しているにもかかわらず、整備が十分でないという意見がいまだにある。そこで、特に視覚障がい者にとって外出する際の重要な施設である点字ブロックについて質問する。まず、23年度に市内で整備された点字ブロックの整備延長と事業費を尋ねる。

△道路下水道局長 点字ブロックについては、全ての人が快適に利用することができる道路のバリアフリー化の一環として、歩道のフラット化などとあわせ整備に取り組んでいる。23年度の整備延長は延べ約9,900メートル、整備費は1億4,300万円余である。

◯浜崎委員 点字ブロックの整備の考え方及び設置基準を尋ねる。

△道路下水道局長 点字ブロックの設置は、平成14年に策定した福岡市交通バリアフリー基本方針に基づく重点整備地区内の鉄道駅と福祉施設などを結ぶ経路において優先的に取り組んでいる。重点整備地区以外の路線についても、幹線道路を中心に、新設や改良、補修とあわせて点字ブロックの設置に努めており、既設の道路についても、駅や公共施設などの立地状況、関係者の要望などを踏まえながら設置に取り組んでいる。また、点字ブロックの整備については、市福祉のまちづくり条例に基づく施設整備マニュアルを基準としており、設置するための歩道幅員としては、一般的におおむね2メートル以上となっている。

◯浜崎委員 23年度の整備延長のうち、重点整備地区での整備延長とこれまでの重点整備地区における整備実績及び現在の整備率を尋ねる。

△道路下水道局長 福岡市交通バリアフリー基本方針で市内に11カ所指定されている重点整備地区内での23年度の整備実績は約600メートルで、これまでの整備実績は、重点整備地区内の全計画延長33.8キロメートルに対し23年度末までの整備延長が28.4キロメートルで、整備率は84%である。

◯浜崎委員 重点整備地区と言いながら、10年経過しても16%、約5キロメートルが未整備にもかかわらず23年度の整備実績は600メートルである。全市的には約10キロメートル整備しているが、重点整備地区内では600メートルしか整備できなかった原因を尋ねる。

△道路下水道局長 重点整備地区における点字ブロックの整備は平成14年から積極的に進めてきているが、道路幅員の不足、歩道の未整備など、設置に課題がある箇所が残っており、点字ブロックの設置に時間を要している状況である。

◯浜崎委員 未整備箇所での障がい者の移動には、移動を手助けするヘルパーや介護タクシー利用への助成制度などソフト面の活用も考えられるが、ハード面の道路整備が必要であり、視覚障がい者にとって連続性が確保されていない点字ブロックでは意味がない。幅員が不足している歩道や歩道のない道路にも点字ブロックは設置できないのか。

△道路下水道局長 点字ブロックの設置については、点字ブロックの両側に約幅60センチメートルの歩行空間が必要とされており、点字ブロックの幅や道路照明灯などの設置空間も勘案すると、おおむね2メートル以上の歩道幅員が必要であり、条件に適合した歩道での設置を進めている。歩行空間の確保が容易でない道路における連続性を確保した点字ブロックの設置については安全面での課題があるが、視覚障がい者など関係者の意見も踏まえ、手法について検討していく。

◯浜崎委員 現在、本市では新たなバリアフリー基本計画を策定中と聞いている。実際に道路を利用している障がい者の立場に立って、道路の状況にかかわらず連続性を確保した点字ブロックの整備を踏まえた基本計画となるよう強く要望しておく。また、整備を行っても、違法駐輪などによってその機能が阻害されては意味がない。歩道上の違法駐輪、不法占用などに対しては、しっかりとした指導等の対策を要望しておく。重点整備地区や優先順位といった考え方は、厳しい財政事情を踏まえると、効率や事業効果の観点から大事だとは思うが、本市が全ての人に優しいまちづくりを行っていくというのであれば、市内全般で障がい者に優しい道路整備を進めていくべきだと考えるが、所見を伺う。

△道路下水道局長 点字ブロックの整備については、重点整備地区や新設道路などを中心に、整備可能な箇所から優先的に取り組んできた。これからは既存の道路においても、限られた空間の中で、植栽帯や自転車走行空間などとの再配置も含め、人に優しい歩道空間の確保に努める必要があると考えている。平成24年3月に公表した今後の道路整備の基本的な方向性を示した新しい道路整備アクションプランにおいても、道路のバリアフリー化など、人優先のユニバーサルな道づくりに取り組むこととしており、現在、保健福祉局が中心となって策定している新しいバリアフリー基本計画の内容を踏まえながら、関係者の意見や要望なども聞き、さまざまなことにも留意し、ユニバーサル都市・福岡の実現のための道づくりを進めていきたいと考えている。

◯浜崎委員 次に、再生可能エネルギーについて、東日本大震災以降、脱原発に関する新聞報道等が多いが、特に国の最近の動きとしては、9月14日、エネルギー・環境会議で革新的エネルギー・環境戦略が定められ、19日には、今後のエネルギー・環境政策については、革新的なエネルギー・環境戦略を踏まえて、関係自治体や国際社会等と責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行すると閣議決定されている。今後、原発のあり方が先行き不透明な中、市民生活に支障のないよう、エネルギーの安定供給の確保の観点からは、より一層、再生可能エネルギー導入を図っていく必要があると考える。本市では、平成23年10月にエネルギー分野などの専門家を委員とする環境・エネルギー戦略有識者会議を設置して議論を重ね、24年度中に提言し、25年度に本市としての環境・エネルギー戦略を策定予定とのことだが、これまでの議論の内容と今後の検討内容を尋ねる。

△環境局長 これまで本市の地域特性や課題を踏まえ、エネルギー政策の基本方針や施策の方向性などについて議論し、平成24年4月に、市長に対して省エネ、創エネ、蓄エネの視点を踏まえた中間取りまとめの報告を受けたところである。現在、引き続きエネルギー政策の体系化や具体的な推進方策、目標値などについて議論、検討を行っており、24年度末に最終提言を受けることとしている。これをもとに25年度、本市としての環境・エネルギー戦略を策定することとしている。

◯浜崎委員 現在、本市の公共施設で導入している再生可能エネルギーの状況を尋ねる。

△環境局長 太陽光発電129施設、風レンズ風車による風力発電5基、下水汚泥を利用したバイオマス発電2施設、浄水場での小水力発電1施設、清掃工場での廃棄物発電4施設である。

◯浜崎委員 風レンズ風車とはどのようなものか。

△環境局長 風レンズ風車は九州大学応用力学研究所が開発した小型風力発電システムで、回転する羽根の周りにリング状の輪をつけ、輪についたつばにより気圧の差をつくることで取り込む風の速さを1.5倍にするため発電能力が2倍から3倍になるなど、非常に効率のよい風力発電である。大型風車と比べて、騒音や低周波、バードストライク等の影響が少なく、本市のように都市部で風が弱い地域に適した風力発電であると考えている。

◯浜崎委員 現在、博多湾で風レンズ風車を設置した浮体式海上風力発電の実験を九州大学が行っており、大型化の構想もあると聞いている。今後とも風レンズ風車の展開については本市が積極的にかかわっていくよう強く要望しておく。再生可能エネルギーの中でも小水力発電は効率がよく、安定して発電できるエネルギー源ではないかと考えているが、小水力発電について、取り組み状況を尋ねる。

△水道事業管理者 水道局では、ダム直下や上流の取水地点から浄水場までの水量とそのエネルギーを利用した小水力発電について検討し、再生可能エネルギー導入に取り組んでいる。具体的な小水力発電の取り組みとしては、22年度に瑞梅寺浄水場内にダムからの取水を利用した出力35キロワットの発電設備を設置し、23年度から稼働させている。また、乙金浄水場内で江川ダムから導水されるエネルギーを利用した出力100キロワットの小水力発電設備設置工事に着手しており、25年度完成を目指している。なお、ほかにも、水道局所管の施設において、曲渕直下など小水力発電導入の可能性が高い地点があると考えており、小水力発電の経験が豊富な九州電力(株)などから意見を聞きながら、導入に向けて検討している。

◯浜崎委員 23年度から稼働している瑞梅寺浄水場の小水力発電について、設備の設置費用と導入効果について尋ねる。

△水道事業管理者 設置費用は約1億2,600万円で、国から約3,900万円の補助を受けている。導入効果は、23年度は一般家庭換算で79世帯分の電力に相当する約28万8,000キロワット時の発電を行っており、約108トンのCO2の削減の効果もある。小水力発電により瑞梅寺浄水場の使用電力がほぼ賄われており、電気料金も、22年度と比べ約213万円軽減し、余剰電力の売電収入約38万円で、約250万円の経費節減につながっている。

◯浜崎委員 現在計画中の乙金浄水場の小水力発電の導入効果と瑞梅寺浄水場の小水力発電との比較を尋ねる。

△水道事業管理者 現在計画中の乙金浄水場の小水力発電は、瑞梅寺浄水場の小水力発電と比較すると約1.6倍の設置費用がかかるが、発電規模は約3倍の約100キロワットで、CO2削減効果も2.4倍を見込んでいる。なお、平成24年4月に創設された県の再生エネルギー導入促進の補助制度の活用が可能であれば、より費用対効果が高く、投資効果の高い計画になるのではないかと期待している。

◯浜崎委員 市内に多く存在する河川の大型井堰やため池などの農業用施設を活用した再生可能エネルギーの導入について尋ねる。

△農林水産局長 24年度の新規事業である農業用施設再生可能エネルギー活用事業において、九州大学に委託し、河川に設置している大型井堰やため池などの農業用施設を活用した小水力、太陽光などの自然エネルギーによる電力供給の可能性について、現在、費用対効果を含め調査、研究を行っている。

◯浜崎委員 現在、本市では、太陽光発電以外にも、風の状況に必ずしも恵まれていない本市の地域特性を生かした風レンズ風車の実証実験や、水のエネルギーを活用した小水力発電の可能性を探るなど、その取り組みは大変評価できると思っているが十分とは言えない。より一層、再生可能エネルギーの積極的な導入に努めるとともに、市民に安心感を持ってもらうためにも、再生可能エネルギーを推進する姿勢を示していくべきと考えるが、所見を伺う。

△環境局長 再生可能エネルギーの推進については、現在、環境・エネルギー戦略有識者会議において普及促進策等の議論を重ねており、24年度末に市への提言が取りまとめられる見込みであり、25年度、目標値も含めた本市としての環境・エネルギー戦略を策定する予定である。24年度はその中から先取りして、西部中田埋立場におけるメガソーラー発電の稼働を平成25年2月に予定しているほか、九州大学の風レンズ風車を用いた浮体式海上風力発電の実証実験の協力や、照葉小中学校への蓄電池の設置などの取り組みを既に始めている。エネルギー消費の大部分が家庭や事業所などの民生部門となっていることや集合住宅が全戸の約8割を占めることなどの本市の特性を踏まえたエネルギー戦略策定に向けてしっかりと議論、検討し、これまで以上に再生可能エネルギーの導入の促進を図るとともに、省エネやエネルギーのエリアマネジメントの取り組みをより一層進めるなど、自律分散型エネルギー社会の構築を目指していく。

◯浜崎委員 外国企業の誘致について、本市が今後も活力と魅力にあふれる都市として持続的な発展を遂げるために、活発な経済活動の拡大が不可欠であり、地元中小企業の振興や創業支援等の取り組みとともに、国内外の企業を誘致し、新たな資本の導入によって域内経済の活性化を図ることが有効な方策の一つであると考えている。特に経済のグローバル化が急速に進展する中、本市としても地場企業の海外展開や海外からの観光客受け入れに力を入れているところであり、徐々に国際的見地からのまちづくりが進められているが、よりスピード感を持って国際都市を目指すには、積極的に外国から企業を誘致することが重要である。外国・外資系企業の誘致を推進することにより国際都市としての価値を高め、国際感覚の向上に寄与するなどの効果も期待できるのではないかと思われる。23年度福岡市基本計画に係る実施状況の報告によると、外国企業の誘致について、23年度に実施した主な事業について尋ねる。

△経済観光文化局長 海外のデジタルコンテンツ関連のイベントにミッション団を派遣し、地元企業の海外展開を支援するとともに、本市の取り組みを情報発信し、東京においてデジタルコンテンツ産業をテーマとしたビジネスセミナーを開催し、首都圏からの企業誘致に努めるなど、本市が戦略的に集積対象としている産業分野の外国・外資系企業に対して企業訪問などを行い、本市のPRや提案を行うとともに、本市への進出をサポートした。

◯浜崎委員 誘致活動を実施した結果として23年度に本市へ進出した外国・外資系企業の件数と、その地域別、業種別及び進出形態別の内訳を尋ねる。

△経済観光文化局長 23年度に本市が外国・外資系企業の進出に関与した件数は10社で、地域別ではアジアが7社、欧米が3社であり、業種別では金融関連が4社、貿易関連が2社、IT関連が2社、製造・卸関連が2社である。進出形態としては、海外からの直接進出が5社、既に日本に拠点を有している外資系企業が新たに本市に進出する、二次進出が5社である。

◯浜崎委員 外国・外資系企業が本市へ進出するに当たっては、企業側は、ビジネスが成立するための市場性などを見きわめており、九州地域のマーケットやその中心都市としての本市が評価されていると思うが、進出の後押しとなるような外国・外資系企業に対するインセンティブはあるのか、また、外国・外資系企業から見た進出する魅力について尋ねる。

△経済観光文化局長 本市のインセンティブとしては、立地交付金制度により、企業が進出する際の初期投資費用の一部を助成している。また、首都圏などに比べて低廉なオフィス賃料などのビジネスコストや人材確保のしやすさ、アジアのゲートウエーとしての交通利便性、生活のしやすさなど、本市の特性や魅力を十分に説明し、進出先として選ばれたのではないかと考えている。特に最近では、地震や津波等の震災リスクが太平洋側より低いことも進出理由の一つと考えている。

◯浜崎委員 23年度福岡市基本計画に係る実施状況の報告によると、20年度から22年度までの3年間で国内外企業86社の誘致を実現したとなっている。この期間はリーマンショックを初めとする景気が冷え込んだ時期であることを考慮すると、一定の評価ができるのではないかと思う。この進出企業86社のうち外国・外資系企業は25社である。企業誘致の効果としては、実際に本市に進出した企業がどれぐらい地域に根づき、地域経済や雇用機会に貢献しているかが重要かと思うが、本市に進出して大きく成長した外国・外資系企業の事例について概要を尋ねる。

△経済観光文化局長 一例としては、3年前に本市に進出したデジタルコンテンツ関連の外資系企業では、本市が人材を確保しやすい都市であることもあり、進出当初は約70人であった従業者数が現在では約300人にまで拡大している。

◯浜崎委員 企業誘致は雇用創出の面からも非常に大きな効果があり、外国・外資系企業の進出による地場企業のビジネスチャンス拡大とともに、海外取引の増大や新たな経営ノウハウの導入など、地域経済への大きな波及効果が見込める。アジアのリーダー都市を目指す本市にとって、外国人観光客や留学生の増加も重要な地域振興の柱の一つと考えるが、地域経済活性化の観点からは、外国・外資系企業の進出を強力に推進し、外の力を取り込んでいくことも都市の成長と発展のために重要と考える。このような観点からすると、欧米や東南アジアもしっかり視野に入れて取り組んでいくことは可能だと思うが、外国・外資系企業の誘致について、市長の所見を伺う。

△市長 本市の強みであるアジアとの近接性を生かして経済のグローバル化に対応するとともに、都市の成長エンジンをつくっていくという意味においても、新たな雇用を生み出すという点でも、企業誘致は非常に重要と考えており、進めていきたい。23年度から、国内外の企業を100社誘致するという目標を立てて企業訪問等情報の発信に努めている。本市としては、成長性のある外国・外資系企業を誘致することによって、さまざまなビジネスモデルの創出や海外取引の拡大、域内の取引の活性化を図り、持続可能な成長を続けるアジアのリーダー都市に向けて積極的に取り組んでいく。




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