水城 議員の質問と答弁

○41番(水城四郎)登壇 私はみらい福岡市議団を代表して、今議会に上程されました議案第214号、福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例について質問いたします。
 当局の安全、安心の確保に向けた力強い答弁を期待いたしております。
 市民生活の安全、安心は全ての福岡市民が願っているところでありますが、市政に関する意識調査において、本市の都市環境等に関する満足度では食べ物が豊富が最も高く、犯罪の少なさが最も低い評価となっております。私はこれまで真に安全で安心して住めるまちづくりが最も重要であり、犯罪のない安全で住みよい社会環境づくりを推進しなければならないと信念を持って努力してまいりました。
 特に市民の生命、財産を守るという観点から安全、安心のまちづくりに関する条例の必要性を強く感じ、これまで条例を早急に制定するよう繰り返し要望してきたところでありますが、ようやく福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例案が提案されたところであります。
 そこでお尋ねします。
 まず、今回提案された福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例の検討に当たり、福岡市の犯罪情勢及び防犯上の重点課題をどのように認識しているのか、お尋ねします。
 次に、政令指定都市における防犯のまちづくりに関する条例の制定状況についてお尋ねします。
 次に、平成14年12月に議員提案により制定された人に優しく安全で快適なまちづくりに関する条例、通称モラル・マナー条例の第2条第5号において、条例に掲げる基本理念の一つとして全ての市民が犯罪や事故の防止に努め、安心して暮らすことができる安全なまちづくりを推進することを規定していますが、今回の条例案との関係についてお尋ねいたします。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。
 
○副議長(大石修二) 四宮市民局長。
○市民局長(四宮祐司) まず、犯罪情勢につきましては、福岡市の刑法犯認知件数は平成14年の5万7,578件をピークに減少し、平成24年は2万6,731件とピーク時と比較して半減いたしております。
 一方で、政令指定都市における人口1,000人当たりの刑法犯認知件数が平成22年から平成24年にかけて3年連続でワースト3位となるなど、近年ワースト上位で推移いたしております。
 また、罪種別の発生状況では窃盗犯が8割を占めており、政令指定都市における人口1,000人当たりの件数で見ますと、昨年はオートバイ盗がワースト1位、自転車盗がワースト2位、住宅侵入窃盗がワースト4位であるなど、市民生活に身近な犯罪が多発している状況にあります。
 次に、本市の防犯上の重点課題につきましては、まず1点目は自転車盗における無施錠の割合が39%を占め、また、住宅侵入窃盗における無施錠の割合が37%を占めるなど、防犯意識の欠如、2点目は博多駅周辺地区や天神周辺地区で犯罪が多発し、大学周辺地区ではオートバイ盗や自転車盗が多発するなど、犯罪発生に地域特性があること、3点目は刑法犯の検挙補導人員の約3割を少年が占め、さらに犯罪を起こした少年の再犯者率が42%に上ることから、少年の非行防止対策、4点目はオートバイ盗や自転車盗の発生場所の割合が駐輪場や共同住宅で約7割を占め、性犯罪の発生場所の割合が共同住宅と道路上で71%を占めることなどから、防犯に配慮した環境整備、以上4点を本市における防犯上の重点課題として認識をいたしております。
 次に、政令指定都市における防犯のまちづくりに関する条例の制定状況につきましては、既に制定している都市が名古屋市や京都市など12市、制定していない都市が8市でございます。
 次に、今回の条例案と人に優しく安全で快適なまち福岡をつくる条例、いわゆるモラル・マナー条例との関係につきましては、モラル・マナー条例が人に優しく安全で快適なまちづくりに関する施策の基本となる事項を定めるものであり、その推進について関係条例を定める旨を規定いたしております。
 今回の条例案は、モラル・マナー条例を基本条例とし、犯罪のない安全で住みよいまちづくりに関する施策の基本となる事項を定める関係条例として位置づけるものでございます。以上でございます。
 
○副議長(大石修二) 水城四郎議員。
○41番(水城四郎) 今、市民局長の答弁にもありましたとおり、既に20政令市中12都市が条例を制定しています。
 中でも、政令市でいち早く生活安全条例を制定した京都市では、市民のみならず観光旅行者の安全確保も目的とした条例を制定しています。
 福岡市は、今回、おくればせながら13番目の制定ということになるのでしょうが、福岡市が観光・集客戦略に力を入れるというのであれば、このような姿勢をぜひ見習うべきだと思います。市民の安全、安心は都市の活力を生み出していく大前提だと考えます。本市はこれまで安全、安心に取り組んできたものの、私が過去あれだけ何度も本会議や委員会で改善を訴えてきたにもかかわらず、もう一歩踏み込んで生活安全条例を制定してきませんでした。その結果、人口1,000人当たりの刑法犯認知件数が政令市中ワースト上位で推移するという悲惨な犯罪状況につながってきたのではないでしょうか。これは、よほど力を入れて取り組んでいかなければ、先を走っている他の都市に追いつくことはできないと考えます。
 私は、かねてから申し上げてまいりましたのは、犯罪のない安全で住みよいまち福岡の実現には、警察による犯人の検挙や取り締まりの強化はもちろん重要ですが、市民や地域、事業者のそれぞれの役割、行政の責務を条例で明確に規定し、これらを強く発信することで自覚を促していくことが大変重要です。防犯対策は、自分のことはみずからで守り、自分たちの地域は自分たちで守ることが原点です。市民、地域、事業者、警察、行政が一体となって取り組むことが犯罪を未然に防ぐこととなり、防犯のまちづくりにつながっていくものと確信しております。
 今回ようやく条例案が提出され、市民、地域団体、事業者の役割、市の責務が明文化されたのは一歩前進であり、大変期待をしているところであります。
 そこでお尋ねします。
 まず、今回の条例案では、市民、地域団体及び事業者の役割並びに市の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、より多くの市民等の参加または参画を得た地域防犯活動の活性化を図り、市民活動の安全確保及び市民の安心感の醸成に寄与することを目的としているようですが、施策の基本となる事項はどのような方針に基づいて定めているのか、お尋ねします。
 次に、今回の条例案に規定している事項について、他の政令指定都市の同様の条例と比較してどのような特色があるのか、お尋ねいたします。
 次に、私は防犯のまちづくりを効果的に推進するため、市民の悪質で目に余るモラルやマナーに違反する行為に対して、条例に罰則規定を設けてでも対処すべきことを過去何度も意見を申し上げてきましたが、この件についての御所見を伺います。
 次に、道路等、住宅、学校等のそれぞれに防犯の抑止に配慮した構造、設備等に関する指針、いわゆる防犯環境設計指針を策定することを規定していますが、防犯環境設計指針の内容についてお尋ねします。
 以上で2問目を終わります。
 
○副議長(大石修二) 四宮市民局長。
○市民局長(四宮祐司) 今回の条例案に規定する市の施策の基本となる事項を定めるに当たっての方針につきましては、1つには防犯意識の高い人、地域づくりを、2つ目は地域の実情及び特性を踏まえた施策の推進を、3つ目は少年の非行防止活動の推進を、4つ目は防犯環境に配慮したまちづくりを、以上4つを基本的な方針として、条例案の第10条から第20条にかけて市の施策の基本となる事項を定めたものでございます。
 次に、今回の条例案の特色につきましては、まず1つには第13条、サイバー空間における安全の確保として、市が児童及び生徒に対する情報モラル教育を行うことやサイバー空間における犯罪被害を防止するための広報啓発を行うことを規定したこと、2つには少年の非行を生まない社会の実現に向けて、第15条に市が少年の規範意識の向上や非行を防止するための措置を講ずること、また、第16条に非行を起こした少年の立ち直りの支援を規定したこと、3つには第17条から第20条にかけて道路等、住宅、学校等について犯罪の防止に配慮した施設の構造、設備等に関する指針、いわゆる防犯環境設計指針を定める規定をしたこと、以上の3点と考えております。
 次に、条例に罰則規定を設けることにつきましては、今回の条例が本市の犯罪情勢や防犯上の重点課題を踏まえ、犯罪の起きにくい社会環境づくりを社会全体で総合的、効果的に推進していくため、市民等の役割、市の責務を明確化するとともに、市の施策の基本となる事項を定めるものであることから罰則規定は設けてございません。
 次に、防犯環境設計指針の内容につきましては、警察庁の安全・安心まちづくり推進要綱を踏まえ、道路等、住宅、学校等の構造、設備等について、犯罪の防止に配慮した環境設計を行うことにより、犯罪の起きにくい環境整備を推進するものでございます。その基本原則としましては、1つには多くの人の目が自然に届く見通しを確保する人の目の確保、2つには犯罪を起こそうとする者が被害対象者等に近づきにくくする犯罪企図者の接近の制御、3つには領域を明確にして部外者が侵入しにくい環境をつくる領域性の確保、4つ目には犯罪を起こそうとする者の犯行意欲を物理的に低下させる犯罪の対象物の強化、以上の4点といたしております。以上でございます。
 
○副議長(大石修二) 水城四郎議員。
○41番(水城四郎) 3問目行きます。
 福岡市は第9次福岡市基本計画において、モラルやマナーが大切にされ、地域の自主的な防犯活動も盛んに行われ、安全で安心して暮らせるまちに誰もが誇りを持っているとともに、子どもたちは社会のルールを守ることの大切さを学び、思いやりの心や規範意識が育まれていることを目指しています。
 今回の条例の制定により、犯罪のない安全で住みよいまちづくりに向けて、これからいかに実効性を持った効果あるものとすることが重要であると考えます。
 まず、市民に犯罪の現状等を明確に伝え、条例の意義等について十分周知を図るための広報、啓発が重要だと考えますが、御所見を伺います。
 次に、今回の条例案には施策の基本となる事項を定めていますが、より実効性のあるものにするため、今後どのように具体的な施策を展開していくのか、お尋ねいたします。
 また、福岡市は外国からの観光客の誘致にも力を入れています。都市の活力を生み出すために大変結構なことです。法務省の出入国管理統計年報によりますと、平成23年の福岡空港と博多港の外国人の入国客数は合わせて58万7,000人、国籍別で多い国から申しますと、韓国35万1,000人、中国8万1,000人、台湾6万9,000人、香港1万6,000人、アメリカ合衆国1万1,000人、イギリスとカナダがそれぞれ3,000人と、さまざまな国から多くの外国の人々が福岡市を日本の玄関として来福されております。しかし、文化や法慣習の異なる外国人がふえることで市民と外国人のトラブルなどさまざまな諸問題が起こっております。
 ここで、刑法第1条を読み上げます。「この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する」とあります。たとえ外国人であっても日本国のルールに従っていただき、違反すれば罰を受けるのは当然のことであります。外国人観光客へのおもてなしはとても大切なことです。しかし、ルールを守らない一部の外国人にまで優しくおもてなしをする必要はありません。厳しく対処すべきであります。
 行政の最大の役割は、福岡市に住む人にも、日本人、外国人を問わず観光などで訪れる人にも安全、安心が確保できる仕組みを臨機応変かつ柔軟につくっていくことであると考えます。
 そこで最後に、犯罪のない安全で住みよいまちづくりは、福岡市に住む人、訪れる人に対し、犯罪の起きにくい社会環境の整備を効果的に取り組んでこそ実現できるものであると考えます。安全、安心を担当しておられます大野副市長の決意を伺います。
 以上で、全ての市民が安全で安心して暮せるまち福岡の実現を心から願って、私の質問を終わらせていただきます。
 
○副議長(大石修二) 四宮市民局長。
○市民局長(四宮祐司) 犯罪の現状等を明確に伝えることにつきましては、犯罪の発生状況を地域ごとに提供するなど市民や地域団体等に対し、きめ細やかな情報発信を行ってまいりたいと考えております。
 また、条例の意義等につきましては、市政だよりやホームページ、広報チラシなど、さまざまな方法を活用して周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
 次に、条例に基づく今後の具体的な施策の展開につきましては、まず、条例の周知徹底を図るとともに、条例に規定する施策の基本となる事項を踏まえ、平成26年度に福岡市防犯のまちづくり推進プランの改定を行い、地域、事業者、関係機関との連携のもと、防犯のまちづくりを社会全体で総合的かつ効果的に推進していきたいと考えております。
 あわせて、街頭防犯カメラ設置補助事業や地域防犯パトロールカー支援など、既存の防犯施策についても、引き続き積極的に取り組んでいくとともに、条例の趣旨を踏まえた施策なども検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(大石修二) 大野副市長。
○副市長(大野敏久) お答えいたします。
 犯罪の起きにくい地域社会の実現は市民のモラル・マナーの向上、防犯意識の高まり、地域防犯活動の支援などのソフト面及び防犯に配慮した施設の整備、管理などのハード面の両面にわたり、社会全体が一体となって協力していくことは何よりも大切であると認識しております。
 今回提案させていただきました福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例案は、市民、地域団体、事業者の役割、そして市の責務をそれぞれ規定し、社会全体で防犯のまちづくりに取り組み、地域社会のきずなを深めるとともに、ソフト、ハードの両面から防犯施策を推進していくことを明確に打ち出したものであります。来訪者も含めて、あまねく多くの人々の安全と安心を確保することは私ども行政に課せられた大きな役割でありますことから、本条例案の御承認をいただけましたら、これまでの取り組みをさらに進展させ、しっかりと効果的に推進し、島市長のもと、安全、安心面におきましてもアジアのリーダー都市を目指してまいります。
 なお、水城議員が御懸念の外国から福岡市を訪問される方の件でありますが、それらの方が犯罪や事故の被害者になっても加害者になっても大変困る事態が生じますことから、仮にそうした場合にも適切に対応することができますよう、県警察はもとより、水際対策を担当している機関にも直接出向き、連携を図っているところであります。以上でございます




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