笠 議員の質問と答弁

○47番(笠 康雄)登壇 私は、みらい福岡市議団を代表し、福岡市の農業政策について、東区御島エリア周辺の公園のあり方について、以上2点について質問をいたします。
 まず、福岡市の農業政策についてお尋ねします。
 これまで福岡市では、農林水産業を専門に担当する局を設置し、農業振興に取り組んできました。しかしながら、現在の農家や農地、生産の状況を見ると、農業、農家の将来はどうなっていくのか不安でなりません。
 現在、国においては、TPPの問題が議論され、国は対策をとれば3兆円の被害が3,000億円になると言いますが、具体的な対策内容は示されておりません。そもそも日本の農業総産出額は8兆円強あるわけですが、3兆円もの被害が出るだろうと公式に認めています。8兆円に対し3兆円の被害が予測されるわけですから、TPPの影響が相当大きなものであることがわかると思います。しかし、対策を講ずるので3,000億円まで被害が減少するとしています。果たしてそうなるのでしょうか。もうこれはたらればの世界ではないかなと思います。農林水産業に対する政策の根幹も毎回揺らいでいる状況で、農家は国の政策どおりに投資をしてよいのか、疑問や不安を感じているところです。今、農家が最も知りたいのは、再生産可能な農業が展開できるかどうかであります。
 このように、国の農業政策が大きく変わろうとしている中、また、農業が高度化、専門化する中で、国の施策に追随するだけではなく、福岡市として農家のために何をするべきか、これからの福岡市の農業政策をどう進めていくのか、今真剣に考える必要があると私は思います。
 そこで、福岡市の農業の現状を把握した上で、これまでの農業政策の取り組みを振り返るとともに、今後の福岡市の農業政策の方向性について質問してまいります。
 まず、現在の福岡市の農業従事者数、農地の面積について、5年前と比較してどう変化しているのか、また、耕作放棄地は現在どれくらいあるのか、お尋ねします。
 なお、面積については、市民が理解しやすいようにヤクオクドームの建築面積に換算してお示しください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 

○農林水産局長(椋野清彦) まず、農業従事者数、農地面積につきまして、平成22年と平成27年との比較でお答えいたします。
 平成22年の農業従事者数は4,563人、平成27年は3,543人と、5年間で1,020人、約22%の減少となっております。
 次に、農地面積でございますが、平成22年が2,872ヘクタール、平成27年は2,666ヘクタールと、5年間で206ヘクタール、約7%減少しておりまして、これはヤフオクドームの約30個分に相当いたします。
 次に、耕作放棄地の現状でございますが、耕作放棄地の面積は、平成27年で394ヘクタール、これは市内の農地面積の約15%を占めており、ヤフオクドームの約57個分となっております。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 今、答弁いただきましたように、5年間で農業従事者数は1,000人も減少しています。このままの状況であれば、10年後は2,000人減となり、わずか1,500人しか残っていないこととなり、15年後の農業従事者数は500人ということになります。これは現在の市内の農業者の平均年齢が約70歳であることから見れば当然のことであります。一方、農地面積もヤフオクドーム約30個分も減少しています。
 一方、耕作されない農地がヤフオクドーム約57個分もあります。これは、農業者が高齢化し、離農する人がふえているにもかかわらず、その後継者がいないため、農業従事者や耕作地が大きく減っていることを如実にあらわしています。
 それでは次に、福岡市の農業生産量、生産額は5年前と比較してどのように変化したのか、お尋ねをします。
 

○農林水産局長(椋野清彦) まず、農業生産量からお答えいたします。
 米の生産量は、平成22年が5,812トン、平成27年は5,296トンと5年間で516トンの減少、野菜につきましては、平成22年が1万2,526トンで、平成27年は1万4,726トンと2,200トンの増加、果樹につきましては、平成22年が391トンで、平成27年は358トンと33トンの減少、花卉につきましては平成22年が1,458万4,000本で、平成27年は1,251万9,000本と、206万5,000本の減少となっております。
 次に、農業生産額でございますが、平成22年が67億2,900万円、平成27年は69億100万円で、5年間で1億7,200万円の増加となっております。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 農業従事者数や農地面積が減少する中、野菜の生産量のみが増加し、それ以外の品目は減少しています。生産額は一定規模を維持していますが、この理由としては、米や花卉は単価が下がり、幾ら頑張ってもなかなか利益が出ない状況にあることなどから、消去法で唯一、都市近郊型で優位性のある野菜の生産にシフトせざるを得なかった状況をあらわした結果であると思われます。
 その野菜でいえば、地場野菜として元岡地区などで多く生産されている博多春菊などがありますが、そのほかに市内で生産されているブランド野菜にはどのようなものがあるのでしょうか、お尋ねします。
 

○農林水産局長(椋野清彦) 市内産のブランド野菜の中で、最も有名なものといたしましては、今津、元岡、志賀島などで栽培されております博多あまおうがございます。また、そのほかには北崎の大根やスイカ、元岡の礫耕トマト、入部のキャベツ、また、生産量は多くありませんが、脇山などで栽培されております博多伝統野菜、博多かつお菜などが有名でございます。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 福岡市にも有名な農産物が多いということがわかります。
 では、福岡市内で生産される主な農産物で、県内市町村の中で上位5番目までに入る品目についてお尋ねします。
 

○農林水産局長(椋野清彦) 福岡県の市町村の中で生産量が上位5番目までに入る市内産の農産物でございますが、直近の福岡県の農業統計調査によりますと、野菜では大根、カブ、シュンギクが1位でございます。そのほか、コマツナ、スイカが2位、キャベツ、ホウレンソウが3位、トマトが5位となっております。また、花卉の品目では、ストックが1位、バラが2位となっております。以上でございます。
 
○47番(笠 康雄) このように、九州の中心的な商業都市として認知されている福岡市ですが、意外にも県内で上位に位置する農産物が多いことがわかります。福岡市は155万都市として大消費地という印象が強いわけですが、消費ばかりではなく、農業生産も盛んな都市であり、糸島市にも引けをとらない状況であると言えます。その福岡市の農業政策をしっかりとやっていくためには、予算を十分に確保していくことが重要であると同時に、都市型農業を振興していくための体制をきちんと整えることが必要であると考えます。
 そこで、まず、福岡市における農業政策に関係する予算は、5年前と比較してどのようになっているのか、お尋ねします。
 

○農林水産局長(椋野清彦) 福岡市の農業関係の予算額でございますが、農林水産局の予算総額から水産業と中央卸売市場に関係する予算を除いた額でお答えさせていただきます。
 平成23年度が約41億7,437万円、平成28年度は約40億278万円となっております。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 市税収入が過去最高となるなど、元気な都市を標榜する福岡市としては、農業関係に回される予算額が少ないように思います。
 では次に、福岡市において、国や県の施策、予算絡みではなく、独自に取り組んでいる特色ある農業振興事業はどのようなものがあるか、お尋ねします。28年度予算もあわせてお答えください。
 

○農林水産局長(椋野清彦) 福岡市が独自に取り組む特色ある事業につきましては、主なもので申し上げますと、新規就農を支援いたします農業インターンシップ事業で、その平成28年度予算額は132万5,000円、新規就農者に機械の導入や施設整備等の費用を助成いたします新規就農スタートアップ支援事業で、平成28年度予算額280万円、働き手が欲しい農家に農家で働きたい人を紹介いたします農の応援事業で、平成28年度予算額が200万円、女性農業者を育成、支援いたします女性農業者ステップアップ事業で、平成28年度予算額144万円、6次産業化を推進する市内産農畜産物6次産業化推進事業で、平成28年度予算額389万6,000円、地産地消を推進するふくおかさん家のうまかもん事業者認定事業で、平成28年度予算額703万1,000円といった事業がございます。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 農業が盛んな政令都市の事業にしては、いかにも小粒で予算規模が小さいのではないでしょうか。このような取り組み方で本当に福岡市の農業が活性化し、満足できるような事業展開ができるのか、私は大いに疑問を持っています。
 福岡市ではかねてより、農林水産業を専門に担当する局を設置していますが、ほかの政令市において同様に専門の部局を設置している市はあるのか、お尋ねします。
 

○農林水産局長(椋野清彦) 政令指定都市におきまして、福岡市と同様に農林水産業を専門に担当する部局を設置している都市でございますが、まず、部制をしいております政令市の中では、農林水産部を設置しております新潟市、局制をしいている政令市の中では、これは平成28年度から組織を再編して農水局を新設しております熊本市、この2都市がございます。以上でございます。
 
○47番(笠 康雄) 福岡市は、農林水産業を専門に担当する部局を有する、政令指定都市の中でも数少ない都市の一つということですが、農業を取り巻く情勢が厳しくなる中、専門化や高度化が進む農業現場の実態に、福岡市の政策はついていけていないのではないかと懸念しています。
 今の農家は収益性向上のため、生産を効率化し、シュンギクならシュンギクを、トマトならトマトをというように品目を絞り込んで1年中生産するなど、専門化や高度化が進んでいます。農業が専門化、高度化する中、福岡市の職員が農家やJAの園芸部と対等に話をし、園芸指導や新しい作物の営農振興などを行うためには、農薬の問題を初めとした高度な知識を持ち、かつ農業を引っ張っていくという熱意のある職員を配置しなければ、福岡市の農業政策は前に進んでいかないのではないでしょうか。そういう意味で、これからの農林水産局には農業に詳しい専門職員の配置が必要であると思います。仮に、専門職とまではいかなくても、大学の農学部や園芸学部卒業者、農業高校出身者の職員を配置すべきと考えます。
 そこで、総務企画局ではどのような考え方で職員の人事配置を行っているのか、お尋ねをします。
 

○総務企画局長(中村英一) 職員の配置につきましては、各所属の職務内容や職員の適正等を把握し、適材適所と人材育成の双方の観点から適正に行うように努めております。農林水産局におきましても、所属の事務事業の状況や職員の個々の経験、適正等を考慮しながら配置してきたところであり、今後とも適切な職員の配置に努めてまいります。以上でございます。
 
○47番(笠 康雄) 農業の高度化や専門化に対応し、福岡市の農業を将来にわたって持続的に成長させていくためには、農林水産局には農業の専門知識を有する職員配置が必要であり、最低でも大学の農学部や園芸学部卒業者、農業高校出身者を配置していくべきと要望しておきます。
 国は、TPPへの対応として農地集積による規模拡大や6次産業化の推進、海外への輸出促進を打ち出しています。しかしながら、私個人としては、農産物の輸出によって本当に農業所得が増加するのかは疑問ですし、福岡市の農家が市内で農地の規模拡大を図ることは現実問題として難しいと考えています。
 先ほど市内の農地面積が減少しているとの答弁がありましたが、福岡市の農地が公共工事や民間の大型開発のために減少していることは、福岡市の発展という意味でやむを得ない部分もあろうかと思います。一例を挙げると、九州大学が福岡市の西部地区に移転したことにより、西区の優良な農地が失われているのです。市内の農家がそれにかわる農地を求めるとき、あるいは規模拡大しようとするとき、土地が安価であり、圃場の基盤整備が進んでいるなどの条件から市外の近隣市町村に農地を確保されているのではないでしょうか。
 そこで、福岡市内の農家が市外に所有している農地面積はどのくらいあり、それは市内の農地面積と比較してどの程度なのか、お尋ねをします。
 
○農林水産局長(椋野清彦) 米の生産調整を行う際に用います台帳、いわゆる確認野帳をもとにお答えさせていただきますと、福岡市内に居住する農家が市外で作付しております水稲面積は、平成28年度で311ヘクタールとなっております。これは市内の水稲作付面積1,471ヘクタールと比較いたしますと、約5分の1となっております。以上でございます。
 
○47番(笠 康雄) 思っていたとおり市内の農家が多くの農地を市外に持っていることが明らかになりました。
 では、福岡市内の農家が市外の農地にハウスを建てる場合、どのような補助制度があるのか、お尋ねします。
 
○農林水産局長(椋野清彦) 市内居住の農家が市外の農地にハウスを建てる場合の補助制度としましては、福岡県の活力ある高収益型園芸産地育成事業がございます。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 福岡県の補助制度があるとのことですが、福岡市内の農家が市外の農地で県の補助事業を受けたい場合、その申請窓口や事務手続はどちらの自治体で行うことになるのでしょうか、お尋ねします。
 

○農林水産局長(椋野清彦) 市内居住の農家が市外所有の農地を対象に県の補助事業を受ける際には、近接する自治体との協議によりまして、農家が居住する自治体を窓口とすることとしておりますので、福岡市居住の農家の場合には、福岡市が申請の窓口となります。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) では、このように福岡市内の農家が市外の農地で県の補助事業を受ける場合に、福岡市からの補助金の上乗せや福岡市単独の補助制度はないのか、お尋ねします。
 

○農林水産局長(椋野清彦) 福岡市内に居住の農家が市外に農地を所有している場合で、市外の農地を対象といたします福岡市からの補助金の上乗せ、あるいは福岡市単独の補助制度はございません。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 福岡市からの補助の上乗せや単独補助制度はないという御答弁ですが、福岡市に住民税等を納めている市内の農家が市外の農地で行う施設整備が、なぜ福岡市からの補助対象にならないのでしょうか。福岡市内に住所がある農家は、農業所得による住民税等を全て福岡市に納めているのです。もっと配慮してはどうかと思いますが、御所見をお伺いします。
 

○農林水産局長(椋野清彦) 市内の農家が市外の農地で行う施設整備を補助対象としていない理由でございますが、施設整備に対する福岡市の補助制度で代表的なものとして、園芸施設整備事業がございます。当該事業の実施要領におきまして、補助の対象を福岡市民で、かつ福岡市内の農地と定めており、その理由といたしましては、農業振興地域整備法に基づき、総合的に農業の振興を図ることが必要な地域として県により指定された市内の農業振興地域を対象に、本市の農業施策を行っていることによるものでございます。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) この方針は行政側の視点から考えたものであり、農家のためになるのか、あるいは、農業を本当に救済し、活力ある産業にしていこうという視点が全くかいま見えません。農業を取り巻く情勢が大きく変化している中で、従来どおりの考え方では十分な施策とは言えないのではないでしょうか。まずは農家が営農を継続できるよう、大きな視点に立った総合的な施策が必要であると考えます。
 国の施策の大きな柱の一つが農業の規模拡大であり、農地の集積であることを考えると、市外農地に対する補助は国の施策の方向性に沿ったものです。市域にとらわれた現在の補助制度のあり方を、今後、農家を中心に据えた補助制度へ見直していくべきと考えますが、所見をお伺いします。
 

○農林水産局長(椋野清彦) 農家が土地単価の安い市外に農地を求める傾向があるということは関係者からも伺っているところでございます。
 現在、本市の単独の補助制度の対象としていないことは、先ほど御答弁させていただいたとおりでございますが、本市の農家が市外の農地を利用するに至った経緯にはさまざまな要因が考えられますので、まずはその状況把握に努めますとともに、農地がある自治体との制度の均衡、そして福岡市の農業の情勢変化等を踏まえして、関係自治体とも協議を行いながら、まずは研究してまいりたいと考えております。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) しっかりと検討してほしいと思います。
 18年前に私が市議会議員になったときからこれまでの間、福岡市の農業政策はほとんど変わっていないように見受けられます。農業を活性化させるなら水稲をどうするのか、園芸作物をどのように振興していくのか、農家にわかるようにしっかりと打ち出すべきです。
 農業従事者の高齢化や農地の減少、TPPなど、農業を取り巻く環境が変化していく中で、これまでの施策を同じように続けていては、福岡市農業の発展、未来はないと思います。福岡市の農業実態に即した施策をもっと予算を投じて独自に展開していくことが必要と考えます。
 最後に、これからの福岡市の農業政策の目標についてお尋ねし、この質問を終わります。
 

○農林水産局長(椋野清彦) 福岡市の農業を振興していくに当たりましては、生産地と福岡都市圏という大消費地が近いといった福岡市の農業の強みを生かした施策を推進していくことが重要であると考えております。このため、施設園芸など都市型農業のさらなる振興や、農業者によります6次産業化やブランド化など付加価値を高める取り組みを支援いたしますとともに、ベジフルスタジアムのブランド力を活用した海外輸出のほか、地産地消など農産物の消費拡大や販路の拡大を進めることで生産者の所得の向上を推進していくことが必要であると考えます。
 あわせまして、農業や農地が持つ多面的な機能を将来にわたって維持、発揮できるよう、農地の保全及び農村地域の活性化を図っていくことによりまして、福岡市の農業が持続的に発展できるよう、しっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 最後に、農業政策について意見を申し上げさせていただきます。
 農業は、命を紡ぐ産業です。一度荒廃した農地は、なかなかもとには戻りません。また、食料はいつでもどこからでも輸入できるとは限りません。世界の人口増の影響、保護主義の高まり、そして何より、農作物は水がないと実りを収穫できません。異常気象などの人類が今まで経験したことがないような世界に遭遇するかもしれません。そのとき、他国に食料を大部分依存している国、日本はどうなるのでしょうか。考えると恐ろしくなります。
 そこで、我が国の農業政策が大きな転換期を迎える中、市内農家の所得向上に向けてしっかりとした政策に取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、東区御島エリア周辺の公園のあり方についてお尋ねします。
 公園は市民にとって大切な憩いの空間であるとともに、周辺住民だけではなく市民全体の貴重な財産であると考えます。
 そこで、今回は東区御島エリア周辺の大規模公園であるアイランドシティ内のグリーンベルトやアイランドシティはばたき公園及び御島グリーンベイウォークの整備の進め方について質問してまいります。
 今言った公園がどこにあるかよくおわかりでない方もいらっしゃると思いますので、パネルでちょっとお知らせしますが、(パネル表示)ここはICで、アイランドシティですね。アイランドシティの中に、ちょうど中央にアイランドシティ中央公園があって、一番ここにピンクで描いているところがアイランドシティはばたき公園、以前は野鳥公園と言っていたんです。はばたき公園になったのは私も余りよく知らなかったんですけど、それを結ぶのがグリーンベルトというのが計画されております。そして、今回のメーンでお話をさせていただきたいのが、この御島の海域、これは御島グリーンベイウォークと名前がついているそうです。西区の私は知りませんでした。この周辺のそれぞれの公園について質問をすると同時に、一番我々とって宝と言えるような御島グリーンベイウォークについて質問を展開させていただきます。
 アイランドシティのこれからのまちづくりに向けては、本当にアイランドシティをよくするにはどうするべきかという視点で、既存の計画を見直し、必要があれば計画を変更していくべきであると考えます。その中で、グリーンベルトの計画はそのまま公園として整備するより、一部分譲することで事業収支を改善したり、まちづくりが進む中で発生する地域課題を解決するための調整代として残すなど、ほかの利用を検討するほうがアイランドシティのためになるのではないでしょうか。
 そこでまず、グリーンベルトの計画経緯や現在の計画概要及び整備主体についてお尋ねします。
 

○港湾空港局長(則松和哉) アイランドシティにおきましては、緑豊かな美しいまち並みを形成するシンボル空間として、アイランドシティ中央公園からはばたき公園をつなぐグリーンベルトを計画しているところであります。
 計画の概要につきましては、面積は約6.6ヘクタール、延長は約900メーターであり、道路境界として4つのブロックで構成され、幅員はそれぞれ75メーターから90メーターであります。整備主体につきましては、全体面積約6.6ヘクタールのうち、開発緑地として約3.2ヘクタールを港湾空港局が、約1.4ヘクタールを博多港開発株式会社が行うことを想定しており、約2ヘクタールについては都市公園としての整備に向けて協議中であります。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) (パネル表示)もう一度見てください。グリーンベルトは4カ所に分かれているんです。これからはばたき公園まで、中央公園からはばたき公園まで約900メートルあると聞いていますが、それを道路で分断されていますから、歩いていくとき、5カ所信号を渡るようになるわけです。そんなところを大勢の人が歩いていくというふうには私は思えません。この住宅地、海辺のほうにちょっとあるわけですが、外周緑地、非常に景観がいい、ここを通ってはばたき公園へ行くというのが普通ではないかというふうに思われます。そこで、グリーンベルトはしっかり見直しをもう一度やるべきだというふうに思っております。
 そこで、計画をゼロベースで見直し、規模を大幅に縮小するべきではないかと思いますが、所見をお伺いします。
 
○港湾空港局長(則松和哉) グリーンベルトにつきましては、周辺の開発状況に合わせて、順次整備をするということとしておりますが、御指摘のとおり、アイランドシティのまちづくりが進む中で、イベント時における駐車場の確保や中規模の開発ニーズへの対応など、検討すべき課題が生じております。
 アイランドシティの魅力あるまちづくりには、こうした地域課題の解決に向けた取り組みが重要であることを踏まえ、今後、地域の方々からの御意見も伺いながら、グリーンベルトのあり方について検討してまいります。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) グリーンベルトと結ばれるアイランドシティはばたき公園、旧野鳥公園ですが、ここでも大規模な公園整備が予定されていますが、費用をかけずに効率的に整備を進めることが必要だと思います。
 そこでまず、野鳥公園となるアイランドシティはばたき公園の概要についてお尋ねします。
 

○港湾空港局長(則松和哉) アイランドシティはばたき公園につきましては、アイランドシティの北東部に位置する約12ヘクタールのエリアに人と自然との共生を象徴する空間として、シギ、チドリなど多くの野鳥の休息場や和白干潟を含め、豊かな自然環境を楽しみ、学習する広場などを計画しております。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 西区の今津干潟のように、野鳥が集う湿地は手を入れなくても自然にアシやハマボウが生え、豊かな環境が整っています。アイランドシティはばたき公園の湿地も、費用をかけて人工的なものを急いでつくる必要はなく、自然の力を生かしがら長期的に整備していくことが重要ではないかと考えますが、所見をお伺いします。
 

○港湾空港局長(則松和哉) アイランドシティはばたき公園につきましては、渡り鳥の貴重な飛来地である和白干潟と連携しながら、野鳥の休息場を確保することとしており、造成後、自然環境を整えた上で、周辺整備については段階的に取り組んでいくこととしております。
 なお、整備に向けては、野鳥の飛来状況などを定期的に把握するとともに、地域住民や専門家など多くの方々の御意見を伺いながら進めてまいります。以上でございます。
 
○47番(笠 康雄) 一方で、アイランドシティに隣接する東区の御島海域周辺では、香椎海岸、香椎浜海岸と香椎浜北公園、アイランドシティの整備で創出された外周緑地やあいたか橋などにより、海岸や公園と連携した自然豊かな1周3キロメートルの回遊空間が創出されており、御島グリーンベイウォークと名付けられています。
 現在、このエリアではすぐれた景観を生かして、地域の住民によるジョギングやウオーキングの利用がなされていますが、せっかくの好立地であるにもかかわらず、市民に広く知られているとは思えない、大変もったいない状況にあると感じています。アイランドシティや香椎パークポートといった新しいまちにおいては、多大な費用をかけて計画的に緑の空間が創出されていますが、御島エリアについては、もともと豊かな自然もあり、少し手を入れるだけでもっと魅力的なエリアになるのではないかと思います。そこで、私は、御島エリアの魅力をもっと高め、市民が誇れるようなにぎわいと憩いの場を目指すべきと考えます。
 そこで、御島グリーンベイウォークにおいて、御島海域を囲み、親水性のある護岸や海岸などが整備されていますが、主な整備内容についてお尋ねします。
 

○港湾空港局長(則松和哉) 御島グリーンベイウォークにつきましては、御島海域において海底を良質な砂で覆うなど、水質や底質の改善に取り組むとともに、周辺においては海沿いの景観などを楽しめる海岸や緑地空間を整備しております。さらに、アイランドシティと対岸の香住ヶ丘をつなぐあいたか橋が開通したことにより、御島海域を囲む1周約3キロの周回ルートが誕生し、ウオーキングや自然観察などを楽しむことができる親水空間として多くの地域の方々から利用されております。以上でございます。
 
○47番(笠 康雄) 次に、御島グリーンベイウォークとその周辺には公園や緑地もあり、自然豊かで良好な住環境が形成されています。公園整備や緑地の保全について、これまでの取り組みについてお尋ねします。
 
○住宅都市局長(光山裕朗) 御島グリーンベイウォークとその周辺におけるこれまでの公園整備などの取り組みにつきましては、昭和58年度に面積約2.1ヘクタールで開園いたしました香椎浜北公園において、都市計画道路香椎アイランド線の整備に伴い、公園区域の変更が必要となったことから、約2.9ヘクタールに拡張するとともに、水辺を身近に感じることができる憩いの場となるよう全面的に再整備を実施し、平成18年度から供用を開始しております。
 また、周辺の緑地保全の取り組みといたしましては、平成13年度に香住ヶ丘海岸特別緑地保全地区約0.8ヘクタールを指定し、平成16年度に御島崎市民緑地約2.9ヘクタールを、平成23年度に御島崎特別緑地保全地区約1.5ヘクタールをそれぞれ指定し、御島エリア周辺の自然環境の保全に取り組んでおります。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 他都市に目を向けますと、全国的には千葉県の稲毛海浜公園のように、海辺を見ながらジョギングができるだけではなく、ヨットハーバーがあることで水域利用の拠点ともなり、朝夕問わず、多くの利用者でにぎわっているような特徴的な公園があります。
 福岡市内でも、県営ではありますが、大濠公園は名勝地として国の登録記念物になっており、すぐれた景観を生かしたジョギングや観光の名所としてにぎわいを創出しています。市営の公園においても、このような特徴ある公園が必要ではないでしょうか、お尋ねをします。
 
○住宅都市局長(光山裕朗) 福岡市における特徴のある公園につきましては、これまで福岡城跡や鴻臚館跡といった歴史的資産を有する舞鶴公園を初め、海辺の自然に触れることができる小戸公園、樹林地やため池を生かした西南杜の湖畔公園、また、里山の自然と農業体験ができるかなたけの里公園など、それぞれの立地特性に応じて、その魅力を生かした公園整備を行ってきたところでございます。
 現在、舞鶴公園につきましては、豊かな水面を有する大濠公園との一体的な活用を図るセントラルパーク構想の実現に向けて基本計画を策定しているところでございます。
 今後の公園整備におきましても、それぞれの立地特性を生かし、スポーツ、健康、歴史、文化といった特徴ある魅力的な公園づくりを進めてまいります。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 県営の大濠公園では、民間活力を使い、スターバックスの設置やボートハウスのリニューアルにより一段とにぎわいが増しています。他都市においても民活によるさまざまな取り組みが出始めているようですが、福岡市における民活の事例と今後の取り組み方針についてお尋ねします。
 
○住宅都市局長(光山裕朗) 公園における民間活力の導入事例につきましては、西南杜の湖畔公園におきまして、平成27年4月にオープンしたエントランス広場の魅力を高めるレストラン施設や、平成28年7月にオープンしました水上公園において公園のシンボルとなる水辺空間と一体となったカフェやレストランが入った施設整備の事例がございます。
 今後とも、民間のノウハウなどを活用しながら、公園という資産の有効活用を図り、市民に喜ばれる魅力的な公園づくりに取り組んでまいります。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 東区の御島エリアについては、既にウオーキングの利用のほか、水域はボートやカヌーなどの利用がなされています。しかしながら、こうした回遊性と水域利用の可能性を秘めておきながら、まだまだ十分に生かしきれていないと私は思います。
 現在、このエリアにある香椎浜北公園は、自動車専用道路のルートに位置し、高架橋や橋脚が公園内を占用することから、再整備が計画されていると聞いております。
 そこで、香椎浜北公園再整備のスケジュールと整備内容についてお尋ねします。
 

○住宅都市局長(光山裕朗) 香椎浜北公園につきましては、自動車専用道路アイランドシティ線の整備事業に伴い、今後一時的に閉鎖し、平成32年度までの公園内における道路工事が完了した後、再整備を実施する予定でございます。再整備に際しましては、御島エリアの自然環境を生かし、さらなる親水性や回遊性の向上につながる公園整備を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 

○47番(笠 康雄) 御島グリーンベイウォークを中心としたこの一帯は、水辺空間を生かせる好立地にあり、すばらしい場所となる可能性を秘めています。このエリアでは既に多くの市民がウオーキングやジョギングで利用されており、夜間も利用できるよう照明灯の整備やランニングステーションの誘致、また貴重な水辺を生かすため、より親水性を高め、ボートやカヌーなどの海洋性レジャーの利用促進を図るといった取り組みを推進するべきと考えます。
 また、香椎浜北公園の再整備に当たっては、この立地特性を十分に活用し、民間事業者を参画させてカフェやレストランを設置することで利便性を向上させるなど、この地域の魅力向上を図っていくべきだと思います。そうすれば、この周辺の住民だけではなく、福岡市民全体の大きな財産となります。市内でこのような場所はほかにはないと言っても過言ではありません。西区選出のこの私が、なぜ東区の公園について質問をするかというと、このすばらしい景観をもっと生かす方向で検討ができたらいいなと思うからです。大濠公園は中央区の人々のみならず多くの福岡市民が利用しているすばらしい市民の宝となっています。しかし、その大濠公園では魅力の向上とともに利用者がふえ過ぎ、飽和状態となり、利用しにくい状況となっています。その機能の一部を御島エリアに持ってくることができないのでしょうか。
 そこで、今後予定している香椎浜北公園の再整備を契機に、御島グリーンベイウォークが東の大濠公園となるよう、いや、大濠公園以上の公園となるよう、将来を見据えて取り組んでもらいたいと考えますが、所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 

○副市長(中園政直) アイランドシティと香椎浜、御島崎に囲まれた香椎川河口に位置する御島エリアにつきましては、水辺や緑といった豊かな自然を有し、歴史的にも由緒ある魅力的な空間であります。このエリアにおきましては、アイランドシティ整備事業に合わせて親水性のある水辺の整備を行ってまいりましたが、平成25年3月にはあいたか橋が完成したことにより、美しい海や緑を眺めながら回遊できるようになり、子どもから高齢者まで広く市民に利用されているところです。
 自動車専用道路アイランドシティ線事業に伴う香椎浜北公園の再整備を契機に、この大規模な回遊空間、御島グリーンベイウォーク全体の見地から、民間活力の導入も含め、市民にとってさらに魅力的な場となるよう取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。