浜崎 議員の質疑と答弁

◯国分委員 みらい福岡市議団を代表して、学力向上の取り組みについて、子ども食堂について、一人一花運動について、以上3点について質問する。学力向上の取り組みについて尋ねる。子どもは一人一人が未来をつくっていくかけがえのない存在である。子どもが自分らしく生き生きと輝き、将来の夢を描きながら健やかに成長していける社会をつくることは、私たちの願いであると同時に責務でもある。教育委員会においては、21年度に教育振興計画である新しいふくおかの教育計画を策定し、たくましく生きる子どもの育成を基本的な考え方として掲げ、確かな学力の向上や豊かな心の育成、健やかな体の育成などを目指して、さまざまな事業を実施してきた。子どもたちが社会で活躍するためには、さまざまな進路をみずから切り開いていくことが不可欠であり、その基盤となるものは子どもたちに確かな学力を身につけさせることであり、学校教育の中で最も重要な役割であると考える。本市の学力の現状はどのようになっているか。
△教育長 29年度全国学力・学習状況調査の結果、小学校は国語と算数の双方の平均正答率が全国平均値を上回ったが、中学校では国語が全国平均値とほぼ同等で、数学が全国平均値を下回っている。
◯国分委員 小学校で全国平均を上回り、中学校では若干下回っている教科もあるが、おおむね全国と比べて良好な傾向である。小学校段階から塾に通っている子どもたちが少なくなく、多くの保護者が子どもを塾に通わせている。聞こえてくる声としては、塾に通わせるためにはたくさんのお金が必要になるというものが多い。塾によっては教科ごとに金額が定められており、中学生などで複数の教科を習った場合、金額も大きくなる。本市の子どもたちがどの程度、塾に通っているのか尋ねる。
△教育長 小学校6年生と中学校3年生を対象とした29年度の全国学力・学習状況調査において塾などで勉強していると回答した割合は、小学校6年生は44.4%、中学校3年生は63.1%となっている。
◯国分委員 小学校のときから、およそ半数近くの子どもたちが塾に通い、中学生になると、高校受験があるからなのか、さらに塾に通う割合が大きくなっている。子どもたちは、毎日、学校で授業を受けており、1日5〜6時間と、多くの時間を学習時間に費やしている。学校が終わって、そこから塾に通う子どもたちはとても大変である。今後、塾に通わないと自分が希望する進路に進めないために、塾に通うことが当たり前になるのではないかと心配である。以前の話ではあるが、経済的に厳しい家庭環境に生まれた子どもでも、寝る間を惜しんで必死に勉強し、大学への進学を実現させたという例を聞いたことがある。そのころは、難関の国立大学に進学する学生は比較的に経済的余裕のない家庭の割合が多く、裕福な家庭の子どもは私立大学に進学していたのではないかと思う。最近ではその様子は大きくさま変わりし、小中学校の段階だけでなく、高校生までも塾に通っている生徒も多くなっており、大学進学という進路を実現させるためには、当然のこととして塾に通って勉強することが必要となっているのではないかと憂慮している。こうなると経済的に余裕のない家庭の子どもたちは塾に通うことができなくなり、みずからの進みたい進路を断念せざるを得ず、未来を閉ざしてしまうことにもなりかねないのではないかと心配している。本来、学力は学校の授業を中心としてしっかりとつけていくべきものであり、経済的な理由に左右されてはいけない。大切なことは、学校教育における学力向上の取り組みを充実させていくことにほかならないと考えるが、各学校では学力向上の取り組みをどのように行っているのか。
△教育長 児童生徒の習熟度に応じたグループ指導を行ったり、授業で学んだ内容を繰り返して学習するなど、一人一人の学力課題に応じたきめ細やかな指導を行い、学力の定着を図っている。28年度からは、小学校3年生と4年生を中心に教職経験者や地域の方が学習支援リーダー、学習支援員として、放課後に補充学習を行うふれあい学び舎事業を実施している。30年度は、この放課後学習を70校から全小学校144校に拡充し、児童生徒の学力がさらに向上するように取り組みを充実させていく。
◯国分委員 それぞれの学校で一人一人の子どもたちに応じた学力向上のための取り組みが行われていることは、とてもすばらしいことだと思う。多くの時間を授業に費やしている学校で、しっかりと取り組んでほしい。学力向上のためには、学習指導を行う教員の役割も大変重要になる。ふだん子どもたちと一緒に過ごしている教員の影響ははかり知れないものがあり、授業がわかりやすい、勉強に対するやる気が出てきたなど、教員の授業のあり方や声のかけ方によって子どもたちの学力の伸び方に違いが出てくると思うが、教員の指導力を高めるために教育委員会ではどのようなことに取り組んでいるのか。
△教育長 教員の経験年数に応じた学習指導の基礎的な知識、技能の習得を図る研修や、担当の教科に応じた教科指導の専門性を高める研修などを実施している。また、各学校においては、授業力の高い教員が模範となる授業を公開し、その技術を参考にするなど、指導力を高めるための校内研修を実施している。
◯国分委員 教員がしっかりと子どもたちに向き合うことができなければ、いい授業などできないと思うが、平成25年にOECDによって実施された国際教員指導環境調査によると、日本の教員における長時間勤務の実態が明らかになり、調査に参加した34カ国の平均である38.3時間に対し、53.9時間という結果が示されている。この調査では、研修に参加したいという意欲はあるものの、業務のスケジュールが調整できず参加できない教員の存在も課題として報告されていた。この現状を改善することは、学校教育の質を向上させ、子どもたちに学力を身につけさせるためには必要不可欠と考えるが、学校において教員が子どもに向き合う時間を確保するために教育委員会はどのようなことに取り組んでいくのか。
△教育長 全教職員へのアンケート調査や改善すべき業務の抽出などをもとに、具体的な業務改善の手法などについて検討を進めており、今月末までに業務改善のための実施プログラムを策定し、教員の負担軽減に取り組んでいく。30年度は部活動顧問の負担を軽減するため、単独で試合の指導や引率ができる部活動指導員制度を導入し、また、中央区で先行実施する学校事務センターについては、集約処理による学校事務の効率化を図るとともに、各学校においては、教員が行っている業務の一部を学校事務職員が補助していく。さらに、学校に対する調査、照会文書の削減や簡素化を事務局内へ徹底するなど、教員の負担を軽減することによって教員が子どもと向き合う時間を確保していきたい。
◯国分委員 未来を担う子どもたちに確かな学力を身につけさせることはとても重要であり、そのためには教員の指導力を向上させ、授業やふれあい学び舎事業などの学びの機会をふやすとともに、その質を向上させることが必要となる。塾に頼らず、学校で学力を身につけさせ、みずからの進路を切り開く力を育てることが学校の使命であり、あらゆる教育活動を通して生きる力を育む教育を行うことが最も重要であると考える。また、教員がみずからの指導力を高めるための研修に費やす時間や、何よりも子どもたちと向き合うための時間を確保することも重要なことであり、教員自身がさまざまな人との出会いや多くの書籍との出会いによってたくさんの経験を積み、豊かな人間性を身につけてほしいと切に願っている。子どもたちにとって教員との出会いはかけがえのないものである。学力を身につけるためだけでなく、自分の考え方や生き方に大きな影響を与えてくれる教員との出会いが社会人になってからも重要である。そのためにも、指導力があり、人間性が豊かな、いわば人間力の高い教員に子どもたちを指導していってほしいと願っている。そのことこそが子どもたちに確かに学力を身につけさせるとともに、子どもたちの持つ可能性を未来につなげることができるものと確信している。ぜひとも人間力を基盤とした教員の指導力を高め、学力向上のさまざまな施策を教育委員会が本気になって積極的に推し進めてもらいたい。教育に関する問題については、先月、逝去した我が会派の三角議員が特に熱心に取り組んでいたテーマでもある。三角議員の熱い思いを学校教育のさらなる充実につなげていくためにも、今後の学力向上の取り組みについて教育長の所見を尋ねる。
△教育長 これまで本市の子どもたちのことを愛情いっぱいにいつも考え、子どもたちへのまなざしが人一倍温かかった故三角議員を初め、各会派から支援いただいたふれあい学び舎事業については、学校、地域、保護者の連携、協力のもとに行う放課後補充学習を実施することで着実に成果を上げており、全ての子どもたちの学力向上のため、今後とも事業を充実させていく。将来の本市を担う子どもたちの可能性をしっかりと未来につなぐため、一人一人に確かな学力を定着させるとともに、希望する進路に温かく導くことこそが教育委員会の使命であると認識しており、今後とも積極的に教育施策を展開し、着実に子どもたちを育成していきたい。
◯国分委員 子ども食堂について尋ねる。平成29年6月に発表された我が国の子どもの貧困率は、27年度時点で13.9%となっている。これは3年前の調査よりも2.4ポイントの改善が見られたものの、依然として子どもたちの7人に1人が貧困の状態にあり、子どもたちを取り巻く環境はまだまだ厳しいものがある。気づきにくい問題であるが、一見、不自由なく暮らしているように見える子どもたちの中にも、成長期の大切な時期にきちんとした食事がとれない生活環境にある子どもたちがいるということであり、継続した支援が求められている。平成28年の9月議会において、子ども食堂は子どもに食事を提供するだけでなく、地域の大人たちに見守られながら、子どもが安心して過ごせる居場所として大変大きな役割を果たしており、しっかり支援すべきであることや、支援に当たっては運営に関する課題の把握などを行い、よりよい事業としていくよう求めたが、改めて支援事業の目的について尋ねる。
△こども未来局長 経済的な事情で十分な食事がとれない子どもたちや、家の中でひとりで食事をしている子どもたちなどに対して、食事の提供と学習支援などの居場所づくりを行う団体に対して活動経費の一部を助成し、子どもが健やかに育成される環境整備を促進するものである。
◯国分委員 28年度と29年度の助成団体数と助成額を尋ねる。あわせて、30年度の助成団体の見込み数と予算額について尋ねる。
△こども未来局長 28年度は14団体に215万8,000円を助成し、29年度は16団体に210万9,000円を交付決定した。30年度は20団体の助成を見込んでおり、予算額は388万円を予定している。
◯国分委員 事業の効果をどのように認識しているか。
△こども未来局長 この支援事業を契機として、子ども食堂の活動を開始した団体も多くあり、活動の裾野を広げることができたと考えている。なお、助成団体へのアンケートや情報交換会を行っているが、団体からは、資金面で安定した、団体としての信頼を得ることができた、寄附をもらえるようになったなどの意見があり、団体運営の安定化につながったと考えている。また、参加している子どもたちについても、生活習慣が身についた、食事への関心が高まった、自分で考え行動できるようになったなどの意見があり、子どもたちによい変化があったと聞いている。
◯国分委員 支援団体の運営面が安定してきたことや子どもたちの生活習慣が改善されるなど、今後も子ども食堂が果たす役割は大きいと思う。本市が毎年実施している市政に関する意識調査では、本市を住みやすいと感じている市民の割合が全体の96%と2年連続で過去最高値を記録している。本市の住みよさに磨きをかけて市民生活の質を高め、また人と経済活動を呼び込み、都市を成長させていくことは大事なことであるが、成長の一方で、厳しい環境にある人々を誰も置き去りにせず、支援の手を差し伸べていく都市であることが本当の意味で豊かなまちであると言えるのではないか。市民の善意による自主的な活動である子ども食堂が広がっていくことは、本市が真に豊かなまちであることを示す一つの指標であると考える。また、子どもの空腹を満たすだけでなく、子どもが安心して過ごすことができる場所という観点からも、子ども食堂は数多くあるほうがよいと考える。30年度の助成見込みについては20団体との答弁があったが、子ども食堂を始めたいという民間団体が仮に想定を上回って20団体を超える要望があった場合はどう対応するのか。
△こども未来局長 市民の善意により子ども食堂の活動が広がっていくことは、子どもが健やかに育つ環境づくりの観点からも大変重要だと考えている。想定を上回るような開設の要望があった場合には、なるべく希望に沿えるよう、予算の確保に努めたい。
◯国分委員 市民の善意の芽を摘むことなく、実施箇所をふやすよう要望しておく。何げない毎日の食事であるが、子どもたちにとっては本当に大切なものである。特に成長期にある子どもたちの体づくりもさることながら、いろんな大人に話を聞いてもらいながら一緒に食事をするということで、たくさんの大人が自分を支えてくれていることに気づき、そうした経験から豊かな心が生まれてくる。一方で、子ども食堂への支援開始から2年が経過し、支援団体からさまざまな意見があると思うが、本事業の課題をどのように捉えているか。
△こども未来局長 アンケートや情報交換会において、助成団体からは、ボランティアスタッフの不足、資金調達の苦労、補助年限の終了後の運営についての不安などがあり、30年度は実施箇所数のさらなる増加につながるよう、制度の拡充を行うこととしている。
◯国分委員 30年度からの制度拡充は、どのような内容か。
△こども未来局長 30年度からは、実施回数の補助要件について、月2回以上から月1回以上に緩和するとともに、運営費の補助上限額について、これまで実施回数にかかわらず一律20万円としていたところ、30年度からは実施回数に応じた上限額を設定し、月1回の実施の場合は10万円、月2回の場合は20万円、月3回の場合は30万円、月4回以上で40万円としている。また、各区の社会福祉協議会を窓口とし、補助申請について年間を通じて受け付けるとともに、子ども食堂の開設サポートや食材確保、ボランティア人材の紹介、助成金の申請など、運営に関する相談に応じることにより団体の安定的な運営を支援していきたい。
◯国分委員 子どもの貧困対策は長期的な視点で捉えなければならない。子どもが安心して過ごせる居場所があり続けることで、厳しい生活環境から抜け出し、健やかに育っていくことができる。そのためにも、子ども食堂が短期間で立ち行かなくなるような状況を絶対につくってはならない。現行の制度では、同一団体の補助は3カ年までと定められているが、支援団体の声にもあったように、3カ年で安定した運営となるのは難しく、制度の内容を見直す必要があると思うが、所見を尋ねる。
△こども未来局長 子ども食堂の継続的な運営において、食材費の確保が課題であると認識している。補助年限のあり方については、現在、運営者の声や運営の実情を聞いているところであり、それらを踏まえた上で今後、検討していく。
◯国分委員 30年度は事業の拡充も行われ、補助年限の見直しも検討するとのことであり、よりよい事業に向かっているように思う。現に十分な食事がとれていない子どもたちがいる状況に対して、食べさせないのは親の責任などで片づけるのではなく、子どもたちの成長を地域の力で支えていかなければならない。本市として、子どもたちに何とかしてあげたいという思いを抱いている市民や団体、企業が担い手としての一歩を踏み出し、市内に子ども食堂の輪が広がっていくような、より積極的な支援をお願いしたい。また、支援が必要な子どもたちにきちんと届くよう、ハードルは低く、間口は広くなるような支援制度となるよう要望しておく。最後に、子ども食堂への支援の取り組みについて、こども未来局長の意気込みを尋ねる。
△こども未来局長 28年度から子ども食堂への支援を開始したが、新たに開設された子ども食堂もあり、活動の広がりを見せている。また、団体運営の安定化、利用する子どもたちの生活習慣の改善など、団体からも一定の評価を得ており、今後とも市民の善意の輪がより広がっていくように、制度の見直しを行いつつ、一人でも多くの子どもたちが地域の大人たちに交わりながら安心して過ごせる居場所となるよう、引き続き子ども食堂の支援に取り組んでいく。
◯国分委員 一人一花運動は、ことしから始まり、公共空間から民有地、個人宅に至るまで、ありとあらゆる場所で市民や企業と一緒に花と緑を育て、彩りや潤いにあふれ、おもてなしと豊かな心が育まれるまちフラワーシティ福岡をつくるという取り組みである。本市は住みやすい、住み続けたいまちと言われているが、今後さらに市民の生活の質を向上させるためには、自然環境や景観を守るとともに、心豊かな市民生活を支えるまちづくりをより一層進めていく必要があり、そのためにも一人一花運動を着実に進めていくことが重要であるが、本市はどのような取り組みを行うのか。
△住宅都市局長 市民や企業、行政がともに力を合わせて花と緑を育てていく取り組みであり、多くの人が訪れる都心部などでは企業の協賛による花壇づくりを、地域に身近な拠点である区役所や公民館、公園、道路などの公共空間では市民や企業による花壇づくりの活動を支援していく。また、各家庭においても緑化助成制度などを活用しながら、積極的に緑や花づくりに取り組んでもらいたい。
◯国分委員 この運動を広げていくためには、多くの市民や企業に知ってもらい、参画意識を高めてもらうことが大切であると考えるが、どのように取り組んでいくのか。
△住宅都市局長 一人一花運動を広げていくためには、趣旨をわかりやすく発信し、多くの共感を得ることが大切と認識している。これまでの市民や企業による花や緑づくりに関する事業を整理するとともに、必要に応じて拡充し、市政だよりやホームページに加え、ツイッターやフェイスブックといったソーシャル・ネットワーク・サービスなども活用しながら、積極的に発信していきたい。さらに、区役所や公民館などではポスターの掲示やチラシの配布に加え、花壇や花飾りなどに使える一人一花運動のロゴ入りプレートの配布、地域の自治協議会会長や公民館長などが集まる会合などにおいて一人一花運動の積極的なPRに努めている。また、花屋や園芸店などとも連携し、ポスターの掲示やチラシの配布に加え、ロゴ入りプレートを配布するなど、この運動を市民に身近に感じてもらう取り組みを行っている。さらに4月には、多くの人が訪れる都心部において、市民や企業の皆様と一緒に警固公園を花でいっぱいにする一人一花スプリングフェスの開催や、博多駅から天神、舞鶴公園までの公共空間を7万本の花で彩る福博花しるべチューリップロードを実施する。秋には、花や緑づくりを行っている団体や企業の活動発表や表彰、子どもたちの作品コンテストなどのイベントを開催し、多くの市民に参加してもらうことにより、市民や企業一人一人が花や緑に触れ、親しむきっかけづくりにも取り組んでいきたい。
◯国分委員 全庁を挙げて推進すべきと思うが、これまでの経験上、担当部署だけが盛り上がり、それ以外では他人ごとのように扱われ、尻すぼみになることも多かった。従来の緑化施策にかかわる担当部局のみの取り組みでは限界がある。先日、区役所に行った際には、花壇がきれいに整備されており、エントランスや窓口もたくさんの花で飾られていた。この運動を継続、発展させるためにも、このように各局や区が手本になって、全庁挙げてきめ細かな取り組みを進めることが大切であると考えるが、主管局である住宅都市局に所見を尋ねる。
△住宅都市局長 一人一花運動を全市的な取り組みとして広げていくためには、各局区においてさまざまな活動やPRなどを積極的に行うことが必要であり、副市長をトップとして、各局区の総務担当部長から成る一人一花運動連絡調整会議を設置し、全庁的に情報を共有しながら幅広く取り組みを検討している。具体的には、市民に身近な区役所では窓口や待合スペースを花で飾るとともに、市民が制作した生け花などの作品や写真の展示を行っているほか、外構スペースには市民の参加を得て色とりどりの花壇を設置するなど、花に親しみや愛着を持ってもらえるような取り組みを行っている。そのほか、公共スペースでのポスターの掲示、公共工事の仮囲いや庁用車への一人一花運動のロゴの掲示、関係団体への協力依頼やさまざまなイベントを活用した積極的なPRなど、各局区の事業や取り組みに応じた広報の展開や運動の盛り上げなどに取り組んでいる。
◯国分委員 各局や区の限られた予算の中での取り組みになるとは思うが、工夫して柔軟な対応をするよう要望しておく。例えば、教育委員会では小学校や中学校などの授業の一環として一クラス一花壇、こども未来局では一保育園一花壇などに取り組めば、子どもたちが自分たちで花や緑を育てていく意識を養うきっかけにもなり、子どもたちから親へ、そして親から地域へと広がり、あらゆる場所に一人一花運動が広がっていくきっかけにもなるので、検討を要望しておく。また、福岡には国内外から多くの観光客が訪れており、新たな観光スポットがあれば、魅力向上につながるので、観光客などの来街者が多く集まる駅や空港、港など本市の玄関口を彩りのある花で満たしていくべきと考えるが、所見を尋ねる。
△住宅都市局長 多くの来街者が訪れる場所を色とりどりの花で飾ることは、彩りや潤いのある都市の印象を持ってもらうため大切と考える。例えば、博多駅前広場においては、福博花しるべチューリップロードにあわせてチューリップやパンジーなどを植えたフラワーボックスを設置するとともに、クルーズ船が寄港する中央ふ頭では、周辺企業や団体の協力を得ながら、旅客ターミナル周辺や道路などを花や緑あふれる空間にしていきたい。また、空港通りの一部においても、企業などの協力により、沿道を季節の花でいっぱいにすることを検討している。
◯国分委員 このような運動は継続性が最も重要であるが、市民にボランティアで花づくりを続けてもらうのは大変である。花壇も年間4回ほど植えかえが必要であり、苗の購入費用について助成金制度があるが、助成金にも限りがある。そこで、花壇づくりを継続するために、本市はどのような支援を行っていくのか。
△住宅都市局長 継続して花壇づくりに取り組んでもらうためには、活動に対するさまざまな支援が必要である。このため、種から苗をつくる方法や、管理に余り手のかからない花壇のつくり方などの講座を開催するほか、花や緑を育てる知識や経験が豊富なボランティアである緑のコーディネーターの派遣、植物園や花畑園芸公園などでの園芸相談など、さまざまな技術的な支援を行う。また、公園や道路などの公共空間における市民団体による花壇づくり活動に対する費用の一部助成や、個人宅における道路沿いの緑化を助成する制度などの支援を行っている。今後とも制度を活用してもらえるよう積極的に周知するとともに、花壇づくりの継続のため、さまざまな支援の充実について検討していく。
◯国分委員 花壇づくりの継続には担い手も必要である。一部の団体では興味を持つ若い人が集まらず、高齢者ばかりで活動しているところもある。継続という点では、花壇づくり活動に参加者をふやす取り組みも必要と考えるが、所見を尋ねる。
△住宅都市局長 気軽に参加してもらうため、市政だよりやホームページ、ソーシャル・ネットワーク・サービスなどによる積極的な情報発信や、花や緑に触れ、親しむきっかけづくりとしてのイベント開催のほか、園芸店などとの連携による花づくりを体験できる場の提供などに取り組んでいく。また、花づくり活動のリーダー育成や既に活動を行っている市民のスキルアップなども効果的であることから、緑のまちづくり協会と連携して、花や緑を育てるボランティアリーダーである緑のコーディネーターの養成のほか、すぐれた花づくり活動の情報発信や表彰、活動団体同士の交流会の開催などに取り組んでいる。今後とも参加する市民の裾野を広げるとともに、リーダー育成やスキルアップなどにより、花や緑づくりに関する担い手をふやすよう努めていきたい。
◯国分委員 これまでも花づくり推進の取り組みはあったが、一人一花運動は市民や企業、行政が一体となって取り組むもので、この運動を大いに盛り上げていくことが、共創のまちづくりを進めていく上でも重要な役割を果たすものと考える。だからこそ、この運動を一過性のものではなく、将来に向けて継続されるものとなるように活動の輪を広げていってほしい。最後に、一人一花運動にどのような思いで取り組んでいるのか、市長の意気込みを尋ねる。
△市長 平成29年の市民意識調査では、市民100人のうち本市のことが好きと答えた人が97人、市民や訪問者のために何か役立ちたいと答えた人が78人という結果が出ている。一人一花運動は、市民の高い郷土愛を誰もが参加できる具体的な形に結びつけて、さらに住みやすく、そして誇れるまちにするために、市民や企業、行政がともに力を合わせて花や緑を育てようという取り組みである。運動を進めていく上では多くの市民や企業の共感を得て継続してもらうことが大切であり、市政だよりやSNSなどを活用した積極的な情報発信、ロゴ入りプレートの配布、市民に身近な区役所を初めとする公共空間での花壇づくりやさまざまなイベントを通したきっかけづくり、さらに緑のコーディネーターなどのボランティアリーダーの育成によって、できるだけ多くの市民や企業に参加してもらうとともに、長く活動を続けてもらえるような支援の充実にもしっかりと取り組んでいく。今週末から始まる福岡城さくらまつりを皮切りに、7万本の花で彩る福博花しるべチューリップロードや一人一花スプリングフェスなど、さまざまなイベントがスタートする。今後、この一人一花運動を広げていくことで福岡のまちが彩りや潤いにあふれ、誰もが福岡に親しみや愛着を持ち、おもてなしと豊かな心が育まれるまちを目指していきたい。





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